顧問弁護士契約の社内稟議を通すための説明方法 「顧問弁護士をつけたい。でも社長(または上司)を説得できない」。担当者がそう感じるケースは多い。費用対効果が見えにくいサービスだからこそ、説明の組み立て方が大事になる。稟議を通すための論点と、効果的な伝え方を整理する。 なぜ稟議が通りにくいのか 顧問弁護士の費用は、月額3万円〜10万円程度が相場だ(対応範囲により異なる)。一見すると「何もなければ払い損」に見える。 これが稟議を止める最大の理由だ。 「何かあってから弁護士を使えばいい」という考えは、実は割高になることが多い。問題が起きてから依頼すると、着手金・成功報酬・時間コストが重なる。顧問契約は「問題が起きる前に整備する」コストだという視点で説明するのが、稟議を通すカギになる。 STEP1|「損失を防ぐコスト」として説明する 費用の説明を「月額〇万円かかる」ではなく、「〇万円で何を防いでいるか」に変える。 具体的な数字の例として: 未払い残業代トラブルが1件起きると、弁護士費用+和解金で数十万〜数百万円かかる 契約書の不備で取引先ともめた場合、弁護士費用だけで50〜100万円を超えることがある 採用・解雇トラブルは長引くと半年〜1年の対応コストが発生する 顧問弁護士がいれば、こうしたリスクを「事前に」つぶしていける。月額費用は「保険料」に近い位置づけだ、と伝えると経営者に刺さりやすい。 STEP2|「今、会社に何が起きているか」を洗い出す 稟議では「必要性の根拠」が問われる。現状を具体的に示すと説得力が上がる。 次の項目をチェックリストとして使うと整理しやすい。 契約・取引面 取引先から届く契約書をそのまま押印していないか 業務委託・外注先との書面が口頭合意のままになっていないか 売掛金の未回収が発生したことがあるか 労務面 就業規則の最終改定はいつか(3年以上前であれば要注意) 残業代の計算方法に自信を持って説明できるか 退職者とのトラブルが過去にあったか その他 取引先・顧客からクレームや法的な要求を受けたことがあるか 新しい事業・サービスを始める際に契約書を一から作ったことがあるか このリストの「該当する項目」が多いほど、顧問弁護士の必要性は高い。稟議書にそのまま使える。 STEP3|月額費用の内訳を「見える化」する 稟議で費用対効果を示す際は、「月額費用で何が使えるか」を具体的に書く。 たとえば月額5万円の顧問契約であれば: 契約書チェック:スポット依頼なら1件3〜5万円 → これが何件でも含まれる 電話・メールでの法律相談:スポットなら1回1〜3万円 → 何度でも相談できる 社内規程・雇用契約書のレビュー:別途数万円 → 含まれる場合がほとんど 「何もなかった月でも、相談できる環境を持っていた」こと自体が価値だ。弁護士がいることで、担当者が自分で調べて判断するコスト(時間と責任)も下がる。 STEP4|稟議書のフレームを整える 経営者・役員が稟議を承認する際に見るのは、「必要性」「費用」「効果」の3点だ。 以下の構成で稟議書を作ると通りやすい。 件名:顧問弁護士契約締結の件 目的:法的リスクの予防および緊急対応体制の整備 背景・現状:(STEP2で洗い出した項目を記載) 提案内容:弁護士法人〇〇と顧問契約を締結する。月額〇万円。対応範囲は契約書レビュー・労務相談・日常的な法律相談等。 費用対効果:(STEP1の損失防止コストと比較して記載) 開始時期:〇年〇月〜 よくある相談例 ある小売業の会社では、担当者が何度か顧問弁護士の必要性を提案しても「今のところトラブルはないから不要」と経営者に却下されていた。その後、退職した従業員から未払い残業代を請求され、弁護士費用・和解金・担当者の対応時間を合わせると100万円超のコストが発生した。その後ようやく顧問弁護士契約が承認された。「あの時に整えておけば」という事後的な後悔が稟議承認のきっかけになった事例だ。 ある建設関連の会社では、新規事業を始める際に初めて顧問弁護士をつけた。稟議の際に「新事業では未知のリスクが多く、その都度スポット依頼をすると年間で顧問料の3〜5倍のコストがかかる試算になる」と示したことで、経営者が即日承認した。費用の「比較」が最も効果的だった例だ。 ご相談・お問い合わせはこちら → 顧問弁護士契約の詳細はこちら:/corporationlaw/ 電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00) 「稟議が通った後」のために 稟議が通っても、弁護士を「使いこなせない」会社は多い。問題が起きてからしか連絡しない、相談のたびに「費用がかかるか」を気にして相談をためらう、といったパターンだ。 顧問弁護士は、気軽に使えることで価値を発揮する。「これ聞いていいのかな」というレベルの相談を早い段階でできる関係性が、トラブルの芽を摘む。 稟議を通した後は、社内でのルール(誰が・どういう場合に・どう連絡するか)も一緒に整えておくと良い。 まずはご相談ください 弁護士法人ブライトでは、顧問契約を検討している段階でのご相談も歓迎している。社内説明に使える資料の相談も可能だ。 → みんなの法務部サービスの詳細はこちら:/corporationlaw/service/ 電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00) 関連記事 顧問弁護士の費用対効果 中小企業に顧問弁護士が必要な理由 みんなの法務部とは何か よくある質問 Q. 顧問弁護士の稟議書には何を記載すればよいですか? A. 導入目的・想定する利用場面・月額費用・他社の活用事例などを盛り込むと説明がスムーズになるのが一般的です。数値で費用対効果を示すと承認されやすい傾向があります。 Q. 経営者が「うちには必要ない」と言っている場合、どう説明すればよいですか? A. 「問題が起きてから依頼すると費用が割高になる」「予防コストとして月定額で管理できる」という点を具体的な事例とともに説明することが有効です。初回相談を活用して弁護士から直接説明を受ける方法もあります。 Q. 費用はどのくらいかかりますか? A. 事案の内容・複雑さによって異なります。みんなの法務部では初回相談無料でご案内しています。 監修:弁護士法人ブライト 大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。みんなの法務部として中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。 本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、特定の事案に対する法律アドバイスではありません。個別の対応については弁護士にご相談ください。 よくある質問 Q. 顧問弁護士がいないと本当に損するのか? A. 問題が発生してからスポット依頼すると、着手金・成功報酬・対応時間が重なり、月額費用の3〜5倍のコストがかかることが一般的です。予防的な整備により、こうしたリスクを事前に軽減できるため、経営判断の参考にされるとよろしいでしょう。 Q. 顧問弁護士の相談は何回でも使える? A. 月額契約に含まれる電話・メール相談は、通常何度でも利用可能です。ただし対応範囲は契約内容により異なりますので、契約時に弁護士と確認することをお勧めします。 Q. 顧問弁護士をつける前に確認すべきことは? A. 契約書対応・労務管理・過去のトラブル経験など、現状の法的リスクを整理することが重要です。記事のチェックリストを参考に必要性を可視化すれば、稟議承認がされやすくなるのが一般的です。