交通事故の弁償金・損害賠償請求の方法(会社向け)

交通事故の弁償金・損害賠償請求の方法(会社向け)

交通事故の弁償金・損害賠償請求の方法(会社向け)

社用車が追突された。取引先の従業員が運転する車に当て逃げされた。あるいは逆に、自社の社員が事故を起こして相手から弁償を求められている——。

交通事故の弁償金・損害賠償は、個人間なら保険会社任せで済むことも多いですが、会社が当事者になると話が複雑になります。取引関係、社員の責任問題、会社名義の車両への賠償など、法的に整理すべき点が重なります。

この記事では、会社が被害者・加害者それぞれの立場でどう対処すべきかを解説します。

→ ご相談はこちら:/corporationlaw/

電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00)


会社が被害者の場合:相手に何を請求できるか

会社の車が事故で損傷した場合、相手(加害者・加害者側保険会社)に請求できる主な損害は次の通りです。

1. 物損(車両修理費・買替費用)

車両の修理費が請求の中心です。ただし、修理費が車両の時価を超える「全損」状態になった場合は、時価相当額までしか請求できない(経済的全損)のが原則です。

社用車の場合は車両の減価償却が進んでいることも多く、「時価」が低く見積もられてもめることがあります。リース車の場合はリース会社への賠償義務も確認が必要です。

2. 代車費用・休業損害

修理期間中に代車を使った費用は請求できます。ただし、修理期間として「相当な期間」を超えた部分は認められないことがあります。

また、特定の業務に使う専用車両が壊れたことで売上が落ちた場合は「休業損害」として請求できる可能性があります。証明には売上データや業務記録が必要です。

3. 積載物・付帯損害

事故当時に積んでいた貨物・商品・機材が損傷した場合も請求できます。損害額の証明(見積書・購入証明など)を事故直後から準備します。


相手が個人で賠償能力がない場合の対応

このような相談がよくあります——会社の車が接触事故の被害を受け、相手方は個人で保険未加入、現住所も把握しにくい状況というケースです。こうした場合でも泣き寝入りせず、次の方法を検討できます。

弁護士照会・住民票調査: 弁護士法23条照会で相手方の現住所を調査できます。相手の所在が確認できれば訴訟提起が可能になります。

政府保障事業の活用: 相手が無保険・ひき逃げで被害が残った場合は、国土交通省の「自動車損害賠償保障事業」(政府補償事業)に最低限の補償を求められます。

支払督促・少額訴訟: 請求額が比較的少額(60万円以下)であれば少額訴訟を利用できます。判決後に相手が支払わない場合は強制執行(口座差押えなど)へ移行します。

→ 関連記事:売掛金・未払い金の回収方法まとめ——弁護士に頼む前にできること


会社が加害者側の場合:弁償金の範囲と示談の注意点

社員が社用車で事故を起こし、相手から賠償を求められた場合の対応です。

保険で対応できる範囲を確認する

任意保険に加入している場合、対人・対物・車両損害のほとんどは保険対応になります。まず保険会社に連絡して対応範囲を確認します。

ただし、次のケースは保険対応が難しいことがあります。

  • 社員が飲酒・無免許だった場合(免責規定に該当する可能性)
  • 保険の加入内容が不十分で補償上限を超えた場合
  • 社員が私的利用中だったために使用者責任が否定された場合

示談書は慎重に確認する

相手方から示談書の調印を求められた場合、内容を必ず弁護士に確認してもらいましょう。次の点に注意が必要です。

  • 「示談以外の請求をしない」という文言が入っているか(後から追加請求を防ぐ)
  • 示談金額が実際の損害に見合っているか(低すぎると支払い後も争いになる場合も)
  • 相手が誇張・水増し請求をしていないか(修理見積もりの精査)

相手が「弁償金を上乗せしろ」と言ってくる場合

事故後に相手から「示談金だけでは納得できない」「慰謝料を別に払え」といった要求が来ることがあります。特に事故の相手方が法人でなく個人の場合、感情的な要求がエスカレートするケースもあります。

こうした過剰請求・不当要求に対しては、弁護士名義の通知書で「保険対応の範囲で誠実に対応する意思はあるが、法的根拠のない上乗せ請求には応じない」と明確に回答することが有効です。

「言われたまま払う」ことは問題の先送りになりかねません。早めに弁護士に相談することをおすすめします。

→ 関連記事:顧問弁護士サービスについて詳しく見る


示談交渉が長引く場合:訴訟・調停の選択肢

相手方との交渉が平行線をたどる場合、次の手段を検討します。

手段 向いているケース 費用・期間の目安
示談交渉 双方に妥協の余地がある 費用低・期間1〜3か月
民事調停 裁判所の仲介を入れたい 費用低・期間2〜6か月
訴訟 交渉決裂・大きな金額 費用中〜高・期間6か月〜1年以上

訴訟に進む場合でも、「相手の財産に仮差押えをかけながら交渉する」ことで早期解決を引き出せる場合があります。弁護士と戦略を立てることが重要です。


よくある質問

Q. 会社として相手に損害賠償を請求したいが、相手が「払えない」と言ってくる場合は?

A. 支払い能力がない場合でも、判決・和解を得ておくことで時効を止め、将来の財産(給与・口座)が生じた際に強制執行で回収できます。まず法的手続きを整えておくことが重要です。

Q. 社員が事故後に「自分は悪くない」と言い張っています。会社はどう対応すべきですか?

A. 会社として独立した調査(ドラレコ映像・目撃証言・事故証明書等)を行い、事実関係を客観的に整理します。社員の言い分だけで動くと、後で法的リスクを引き受けることになりかねません。弁護士に状況確認を依頼するのが安全です。

Q. 相手から「示談金100万円払え」と言われたが妥当かわかりません。

A. 修理費・車両時価・代車費用・通院費・慰謝料など、損害の内訳を分解して確認することが必要です。弁護士に見積もり査定を依頼することで、請求額の妥当性を判断できます。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 事案の内容によって異なります。みんなの法務部では初回相談無料でご案内しています。


監修:弁護士法人ブライト

大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。みんなの法務部として中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。


本記事は一般的な法律情報の提供を目的としており、特定の事案に対する法律アドバイスではありません。個別の対応については弁護士にご相談ください。

→ みんなの法務部サービスの詳細はこちら:/corporationlaw/service/

電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00)

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。
  • 記事カテゴリ
  • 成功事例
    インタビュー
契約
人事労務
債権回収
消費者
炎上
会社運営