メンタル不調を訴える社員への会社対応|休職・復職・解雇の判断基準

メンタル不調を訴える社員への会社対応|休職・復職・解雇の判断基準

メンタル不調を訴える社員への会社対応|休職・復職・解雇の判断基準

「うつ病です」と診断書を持ってきた社員に、どう対応すればいいのか。

そう悩む経営者・人事担当者からの相談は、年々増えています。正直に言えば、メンタル不調の対応を誤ると、後から不当解雇として訴えられるリスクが高い。かといって放置すれば職場環境が悪化し、他の社員にも影響が出ます。

まず最初に断言しておきます。うつを理由にすぐ解雇することはできません。適切な手順を踏まずに解雇した場合、裁判所は「解雇権の濫用」と判断し、解雇を無効とするケースが多数あります。

では、どう動けばいいのか。ステップに沿って解説します。


STEP1|診断書の受け取りと確認

診断書が提出されたら、まず内容を確認します。

チェックすべき点は次の3つです。

  • 診断名(抑うつ状態、うつ病、適応障害など)
  • 休養期間の記載(「2週間の休養が必要」など)
  • 発行元の医療機関と日付

診断書があれば、会社は基本的にそれを尊重する義務があります。「本当に病気なのか疑わしい」と感じても、独断で診断書を否定することは避けてください。主治医への照会や産業医への相談を通じて確認するのが適切です。


STEP2|休職命令を出す

診断書で就労困難と判断される場合、休職命令を発令します

ここで重要なのは、就業規則に休職に関する規定があるかどうかです。休職期間・復職要件・休職期間満了時の扱いが就業規則に明記されていないと、後の対応が全て宙に浮きます。

就業規則の整備がまだであれば、この機会に弁護士へ相談してください。

休職命令書は書面で発行し、以下を明示します。

  • 休職開始日と最大休職期間
  • 休職中の給与・社会保険の扱い
  • 復職に必要な条件(主治医の復職可診断書など)
  • 休職期間満了時に復職できない場合の扱い(自動退職など)

STEP3|休職期間中の対応

休職中に連絡を取りすぎると「ハラスメント」と指摘されることがあります。一方、全く連絡しないと状況把握ができません。

適切なラインは、月1回程度の定期連絡です。体調の確認と、復職に向けた準備状況を確認する程度に留めます。

また、休職期間の延長を希望される場合は、更新診断書の提出を求め、書面で記録を残してください。


STEP4|復職可否の判断

主治医から「復職可」の診断書が出たとしても、会社がそのまま復職を承諾する義務はありません

産業医や会社が独自に復職の可否を判断できます。判断基準として参考になる視点は次のとおりです。

  • 通勤できるだけの体力・精神的安定があるか
  • 元の業務または軽減業務をこなせる状態か
  • 再発リスクへの対策がとれているか

復職の際は、段階的な職場復帰(リワーク)プログラムを設けることで、トラブルを防ぎやすくなります。いきなり元の業務に戻すのではなく、短時間勤務・軽作業から始める配慮が有効です。


よくある相談例

ある企業では、試用期間中のマネージャーが能力不足を指摘された直後に体調不良で欠勤し、心療内科の診断書(「休養が必要」)を提出してきました。社長は就業規則に基づく即時の契約終了を希望されていましたが、弁護士が確認したところ、診断書提出直後の解雇は「報復解雇」と受け取られるリスクがあると判断。

まず休職命令を出し、休職期間満了による自然退職という手順を選択しました。結果として、後の紛争リスクを大きく下げることができました。

また別のケースでは、休職中の社員に復職可の診断書が届いたタイミングで、在職中に会社に損害を与えていた疑いが発覚。面談前に証拠を整理したうえで事実確認を行い、退職勧奨に移行するという段階的な対応を取りました。


今すぐ弁護士に相談すべきケース

  • 診断書が届いたが就業規則に休職規定がない
  • 休職期間満了が近いが、復職可否の判断に迷っている
  • 復職させたが再発し、対応方針を決めたい

対応を誤ると解雇無効・慰謝料請求に発展します。早めに顧問弁護士へ相談することで、リスクを最小化できます。

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STEP5|休職期間満了の扱い

最大休職期間が終わっても復職できない場合、就業規則に「期間満了で自動退職」の規定があれば、解雇手続きを経ずに退職扱いにできます

ただし、この「自動退職」が有効であるためには、次の条件が必要です。

就業規則に明文の規定があること

休職命令書に期間と満了時の取り扱いを明示していること

本人に対して期間満了が近づいていることを事前に告知していること

規定が曖昧なまま退職扱いにすると、「実質的な解雇だ」として争われるケースがあります。手続きの正確さが、後の紛争を防ぎます。


仕組みとして整えることが、会社を守る

メンタル不調の対応は、個別ケースへの対処だけでは限界があります。

  • 就業規則の休職・復職規定の整備
  • 産業医との連携体制の構築
  • 復職支援プログラムの設計
  • ハラスメント防止規程との連動

これらを一体で整えることで、同じトラブルを繰り返さない職場環境をつくることができます。

弁護士法人ブライトでは、顧問契約を通じて就業規則の整備から個別案件の対応まで、継続的にサポートしています。


まず一度、ご相談ください

「診断書が来たけど、どうすれば?」という段階でのご連絡が、一番トラブルを防ぎやすいタイミングです。

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> 弁護士法人ブライト 企業法務サービス

> 電話:0120-929-739(受付時間 9:00〜18:00)



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よくある質問

Q. 診断書が出た社員を休職させないで働かせることはできますか?

A. 医師が就労困難と判断している場合、無理に出社させることは後に「使用者側の過失」として問題になる可能性があります。診断書を受け取ったら、就業規則に基づき休職命令を出すことが一般的な対応です。

Q. 休職期間満了後も復職できない場合、解雇の手続きが必要ですか?

A. 就業規則に「休職期間満了で自動退職」という規定があり、かつ適切な手続きを踏んでいれば、解雇手続きなしで退職扱いが可能とされています。ただし規定の内容・手続きの正確さが問われるため、弁護士にご相談ください。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 事案の内容・複雑さによって異なります。みんなの法務部では初回相談無料でご案内しています。


監修:弁護士法人ブライト

大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。みんなの法務部として中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。

本記事は一般的な法的情報の提供を目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な状況については弁護士にご相談ください。

よくある質問

Q. うつ病の診断書が届いたら、まず何をすべきですか?

A. 診断名・休養期間・医療機関名を確認し、診断書の内容を尊重することが重要です。その上で就業規則に基づき休職命令を書面で発令し、休職期間・給与扱い・復職条件を明示することが一般的です。

Q. 休職中に社員と連絡を取らないほうがいいですか?

A. 全く連絡しないと状況把握ができず、一方ハラスメント指摘も懸念されます。月1回程度の定期連絡で体調確認と復職準備状況を確認するのが適切な対応とされています。

Q. 就業規則に休職規定がない場合、今すぐ対応が必要ですか?

A. はい。規定がないと診断書受け取り後の対応が全て宙に浮き、後の紛争リスクが高まります。診断書が届いたタイミングで弁護士に相談し、就業規則を整備することをお勧めします。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。
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