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高所作業中の墜落で頭部を強打し高次脳機能障害が残った労災事案。既往症を理由に会社側から因果関係を否定されたケースを、弁護士がどう覆し、適正な後遺障害等級と賠償金の獲得につなげたのかを解説します。
建設現場や工場などの高所作業中に墜落し、頭部を強く打ちつけたことで「高次脳機能障害」という見えにくい後遺症が残るケースは少なくありません。記憶力の低下や感情のコントロールがうまくいかなくなるなど、外見からは分かりにくい症状であるため、会社側や保険会社から「もともと年齢的な物忘れがあったのでは」「事故前から様子がおかしかったのでは」といった既往症を理由にした反論を受けやすいのが実情です。今回ご紹介するのは、まさにこうした既往症を巡る主張に直面しながらも、弁護士の介入によって適正な後遺障害等級認定と示談解決に至った事案です。実際の解決事例をもとに、内容を一部合成・匿名化した形でご紹介します。
高次脳機能障害は画像所見だけでなく、日常生活状況報告書や家族からの聞き取りなど多角的な資料の積み上げが認定のカギになります。当事務所では医療記録の精査だけでなく、症状に精通した医療機関との連携や、会社側の安全配慮義務違反の立証まで一気通貫でサポートできる体制を整えている点が強みです。
結論
高次脳機能障害は、本人や家族が症状の変化に気づいていても、医学的・法的に立証することが難しい後遺障害です。特に既往症がある場合、会社側から因果関係を否定されたり、賠償額を大きく減額されたりするリスクがあります。しかし、適切な医療機関との連携と粘り強い交渉により、正当な補償を受けられる可能性は十分にあります。一人で抱え込まず、まずは労災に精通した弁護士へご相談ください。
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事案の概要(属性)
- 業種:建設業(鳶職・鉄骨工事作業員)
- 被災者:50代男性
- 事故態様:高所の足場からの墜落による頭部強打
- 負傷内容:外傷性脳損傷に起因する高次脳機能障害(記憶障害・遂行機能障害・易怒性等)
- ご依頼内容:適正な後遺障害等級認定のサポートおよび会社に対する損害賠償請求
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ご相談時の状況|診断書の不利な記載への不安
ご依頼者様は建設現場での高所作業中、足場から数メートルの高さを転落し、頭部を強く打ちつけました。救急搬送先での治療により一命は取り留めたものの、退院後しばらくしてから「新しいことが覚えられない」「作業の段取りが立てられなくなった」「些細なことで感情的になる」といった症状が目立つようになりました。ご家族からの指摘で高次脳機能障害を専門とする医療機関を受診し、精査の結果、事故による外傷性脳損傷に起因する高次脳機能障害と診断されました。
ところが、労災の後遺障害申請にあたり最初に取得した総合病院の診断書には「本人の申告によれば、事故前から物忘れの自覚があった」「加齢に伴う認知機能低下の影響も否定できない」との記載がありました。この記載は、事故と症状との因果関係を薄める方向に働きかねないものであり、後遺障害の不認定や大幅な減額につながる重大なリスクをはらんでいました。ご依頼者様はこの記載に強い不安を感じ、労災事故に強い弁護士を探して当事務所にご相談されました。
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主な争点
- 墜落事故と高次脳機能障害との間の医学的な因果関係(既往の物忘れ・軽度の抑うつ症状との関係性)
- 事故起因性を薄める内容の診断書を前提に、適正な後遺障害等級認定を得られるか
- 会社側の安全配慮義務違反の有無(足場の設置状況、墜落防止措置・墜落制止用器具(安全帯)使用指導の不備)
- 損害賠償額算定における素因減額の適否とその割合
- 高次脳機能障害による労働能力喪失率の評価と逸失利益の算定
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弁護士の戦略と交渉の経緯
受任にあたり、当事務所ではまず、既往症に関する記載が後遺障害等級の認定と損害額の双方に及ぼしうるリスクを整理し、その見通しをご依頼者様へ丁寧にご説明しました。あわせて、当初の診断書の記載が症状の実態を正確に反映したものといえるかについて、医療記録を精査したうえで検討を行いました。
その結果、高次脳機能障害の症状評価に精通した医療機関と連携し、日常生活状況報告書やご家族からの聞き取り内容を踏まえて、症状の実態を正確に反映した後遺障害診断書を改めて作成いただくよう医師へ依頼しました。
この結果、後遺障害等級7級3号(神経系統の機能又は精神に障害を残し、軽易な労務以外の労務に服することができないもの)が認定されました。しかし会社側は、当方請求の1,200万円台に対し、既往症を理由とした大幅な素因減額を主張し、500万円台の提示にとどまりました。
そこで当事務所では、訴訟に移行した場合の見通しを複数の想定に分けて整理し、訴訟による解決と示談による解決それぞれの利害得失をご依頼者様とともに検討したうえで、会社側との交渉を継続しました。和解条項についても、本件の解決金が労災保険給付による填補とは性質を異にするものであることを明確にする形で調整を行いました。
粘り強い交渉の結果、最終的に示談金900万円台での解決に至りました。
ブライト労災部の対応方針
- 相談料無料・着手金0円の完全成功報酬制でご依頼いただけます
- 高次脳機能障害など、立証が難しい後遺障害についても専門的な医療連携で対応します
- 会社側の安全配慮義務違反の立証から示談交渉・訴訟対応まで一貫してサポートします
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解決までの結果
高次脳機能障害は、脳画像上の異常が軽微であっても、日常生活・就労において大きな支障が生じるケースが少なくありません。後遺障害等級の認定にあたっては、画像所見に加えて、日常生活状況報告書、ご家族や職場関係者からの聞き取り内容、神経心理学的検査の結果など、複数の資料を組み合わせて症状の実態を立証していく必要があります。特に既往症がある場合、会社側や保険会社は「事故前から症状があった」という主張で因果関係や損害額を争ってくる傾向が強いため、初期段階での医療記録の精査と、症状に精通した医療機関との連携が解決のカギとなります。
| Before(弁護士介入前) | After(弁護士介入・示談成立後) | |
|---|---|---|
| 後遺障害の扱い | 診断書に既往症の記載があり、因果関係が否定されるリスクが高い状態 | 専門医療機関の診断書により後遺障害等級7級3号を認定 |
| 会社側の主張 | 既往症を理由に大幅な素因減額を主張、500万円台を提示 | 安全配慮義務違反を前提に交渉が進展 |
| 損害賠償額 | 会社提示は500万円台にとどまる | 示談成立額は900万円台まで増額 |
| ご依頼者様の状況 | 後遺症による将来への強い不安を抱えていた | 適正な補償を得て今後の生活設計への見通しが立った |
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担当弁護士のコメント
💬 担当弁護士のコメント
高次脳機能障害は、既往症の有無にかかわらず、事故による外傷との因果関係を丁寧に立証すれば正当な評価を得られます。診断書の記載一つで諦めず、専門医療機関との連携を含めた対応をお勧めします。(笹野 皓平 弁護士)
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高次脳機能障害の労災認定と損害賠償請求の基礎知識
高次脳機能障害とは、脳の損傷により記憶力・注意力・遂行機能・感情のコントロールなどに障害が生じる後遺症です。外見からは分かりにくいため「見えない障害」とも呼ばれ、労災の後遺障害等級認定においては、画像所見のほか、日常生活状況報告書や神経心理学的検査結果など多角的な資料の提出が重要になります。
労災保険からの給付とは別に、事故の原因が会社の安全配慮義務違反にある場合には、会社に対して休業損害、後遺障害慰謝料、逸失利益などを追加で請求できます。既往症がある場合には、その影響割合を巡って会社側から素因減額を主張されることが多いですが、既往症の程度や事故との因果関係を丁寧に整理することで、不当な減額を防ぐことが可能です。
特に高次脳機能障害は等級によって認定される労働能力喪失率が大きく異なるため、適正な等級認定を受けられるかどうかが、その後の賠償額全体を左右する重要なポイントとなります。
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よくある質問(FAQ)
高次脳機能障害は労災で後遺障害として認定されますか?
はい、脳の外傷が原因で記憶障害や遂行機能障害などが残った場合、労災の後遺障害等級認定の対象になります。ただし、症状の立証には画像所見だけでなく、日常生活状況報告書や神経心理学的検査など多角的な資料が必要です。
診断書に既往症の記載があり、因果関係を否定されそうで不安です。どうすればよいですか?
最初に取得した診断書の記載内容が不利であっても、それだけで因果関係が否定されるわけではありません。症状に精通した専門医療機関に改めて診断・評価を依頼し、より実態に即した後遺障害診断書を取得することで、状況を覆せる場合があります。まずは弁護士にご相談ください。
既往症があると賠償額は必ず減額されるのですか?
既往症の存在自体が直ちに大幅な減額につながるわけではありません。既往症の程度や、事故による症状悪化への影響の大きさを個別に検討し、不当な素因減額を防ぐための主張・立証を行うことが重要です。
高次脳機能障害の後遺障害等級によって賠償額はどう変わりますか?
高次脳機能障害は症状の程度に応じて1級から9級まで認定される可能性があり、等級ごとに労働能力喪失率が異なります。等級が異なれば逸失利益や慰謝料の金額も大きく変わるため、適正な等級認定を受けることが賠償額全体に直結します。
会社が安全配慮義務違反を認めない場合、どう対応すればよいですか?
現場の安全管理体制の不備(墜落防止措置の欠如、墜落制止用器具使用の指導不足など)を裏付ける証拠を早期に確保することが重要です。内容証明郵便による請求や、必要に応じた訴訟提起も視野に入れ、労災事故を扱う弁護士が交渉を主導します。
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まとめ
本事例は、高所からの墜落による高次脳機能障害について、既往症を理由とした因果関係否定・素因減額の主張に対し、専門医療機関との連携と粘り強い交渉により、後遺障害等級7級3号の認定と示談金900万円台での解決に至った事案です。診断書の内容に不安がある場合でも、弁護士への相談によって状況を覆せる可能性があります。
まずは弁護士法人ブライトへご相談ください
労災事故・会社への損害賠償請求を扱う弁護士が、あなたのケースを丁寧にお聞きします。
- 初回相談は無料
- 完全成功報酬制・着手金0円から対応可能
- 会社への損害賠償請求も対応
監修者
笹野 皓平(ささの こうへい)
弁護士法人ブライト|労災事業部
大阪弁護士会
専門:労災事故・会社関係争訟・M&A・事業再生
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