この記事の監修者 和氣 良浩(わけ よしひろ) 弁護士法人ブライト|代表弁護士/パートナー弁護士 弁護士歴20年(2006年登録)/大阪弁護士会/大阪大学法学部卒 専門:顧問弁護士・企業法務・カスタマーハラスメント対応 ECサイト運営者が知るべきカスタマーハラスメント対策|返品・返金トラブルから会社を守る方法【弁護士監修】 📌 この記事でわかること ECサイト特有のカスハラが起きやすい理由と典型パターン 返品・返金トラブルで会社が負うリスクと法的な対応ステップ カスタマーサポートを内製・委託いずれの場合も使える対応体制の作り方 カスハラ対応は、手順を間違えると会社が訴えられるリスクがあります 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上・弁護士歴平均14年以上のチームが、カスハラ対応マニュアルの整備から法的措置まで伴走します。まずは無料の実務資料をご覧ください。 無料実務資料を見る 無料で相談する カスハラ対応は、手順を間違えると会社が訴えられるリスクがあります 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上・弁護士歴平均14年以上のチームが、カスハラ対応マニュアルの整備から法的措置まで伴走します。まずは無料の実務資料をご覧ください。 無料実務資料を見る 無料で相談する ECサイトのカスハラは「顔が見えない」からこそ深刻化する 実店舗と違い、ECサイトの顧客対応は電話・メール・チャットが中心です。対面のクッション(表情・声のトーン・その場の空気)がない分、要求がエスカレートしやすく、書面やチャットのログとして「証拠」がそのまま残りやすいという特徴もあります。さらに、SNSでの拡散を材料にした交渉(いわゆる「口コミ盾」)が起きやすいのもECサイト特有のリスクです。 カスタマーハラスメント対策の法的な定義・企業の義務についてはカスハラを放置した会社が払った代償|法的手段と企業の防衛策で詳しく解説していますが、本記事ではEC事業者特有の場面に絞って対応方法を整理します。 よくあるECカスハラのパターン3つ パターン①:規約違反の返品・返金の執拗な要求 「使用済みだが返品したい」「到着が1日遅れたので全額返金しろ」など、返品・返金ポリシーの対象外である要求を、長時間の電話やメールで繰り返すケースです。担当者が「これ以上は業務にならない」と感じるレベルまで拘束されることも珍しくありません。 パターン②:口コミ・SNS拡散を材料にした要求 「対応が悪ければ低評価レビューを書く」「SNSで拡散する」と予告したうえで、規約外の値引き・特別対応を要求するケースです。応じれば同様の要求が繰り返される悪循環を招き、拒否すれば実際にネガティブな投稿をされるリスクと向き合うことになります。 パターン③:コールセンター・チャット対応への長時間拘束 自社運用・委託(コールセンター/CS代行)いずれの場合も、同一の要求を繰り返し電話やチャットで長時間主張されるケースです。1件あたり1〜2時間かかる対応が月に複数回発生すると、担当者の稼働時間の1〜2割がカスハラ対応に消費される計算になります。 カスハラ対応は、手順を間違えると会社が訴えられるリスクがあります 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上・弁護士歴平均14年以上のチームが、カスハラ対応マニュアルの整備から法的措置まで伴走します。まずは無料の実務資料をご覧ください。 無料実務資料を見る 無料で相談する 放置した場合に会社が負う3つのリスク ECカスハラを「クレーム対応の範囲」として個別対応に任せ続けると、以下のようなコストが後から発生します。 従業員の離職・メンタル不調:カスタマーサポート担当者が「会社は守ってくれない」と感じ、離職や休職に至るケース 安全配慮義務違反のリスク:会社が対応方針を示さず放置した結果、従業員がメンタル不調を発症すれば、会社の安全配慮義務違反が問われる可能性があります 業務停滞とブランド毀損:一部の悪質な要求に応じ続けることで「あの店は強く言えば通る」という評判が広がり、同様の要求が増加する悪循環 ECサイト運営者が取るべき対応ステップ ステップ1:返品・返金ポリシーを明文化し、例外対応の判断基準を決める 「どこまでは応じる」「どこからは応じない」を事前に社内で明文化しておくことが、現場担当者を守る第一歩です。判断基準がないと、担当者は都度その場の圧力で判断せざるを得なくなります。 ステップ2:証拠の保全 電話は録音、メール・チャットはログを保存し、「いつ・誰が・何を要求したか」を事実ベースで記録します。SNS拡散の予告も、スクリーンショットで保存しておきます。 ステップ3:対応打ち切りの基準を決めておく 電話であれば「20分」など、対応を打ち切る目安時間と、打ち切り時に告げる定型文をあらかじめ用意しておくと、現場が迷わず毅然と対応できます。 ステップ4:法的手段の検討 警告書・内容証明郵便の送付、悪質な場合は不法行為に基づく損害賠償請求(民法709条)や、業務妨害罪(刑法233条・234条)による刑事告訴も選択肢になります。詳しい進め方はカスハラを訴える方法【企業・使用者側の法的対応ガイド】で解説しています。 カスタマーサポートを外部委託している場合の連携ポイント コールセンター業務やカスタマーサポートを外部のCS代行会社に委託している場合、対応方針を委託先と共有し、判断基準(何分で対応を打ち切るか、誰が最終判断するか、どの時点で自社にエスカレーションするか)を統一しておくことが重要です。委託先任せにすると、現場の対応がばらつき、悪質な要求だけがすり抜けて自社に届くという事態になりかねません。 コールセンター業務でのカスハラ対策を実践されている企業の取り組み事例は、別記事で改めてご紹介する予定です。 カスハラ対応は、手順を間違えると会社が訴えられるリスクがあります 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上・弁護士歴平均14年以上のチームが、カスハラ対応マニュアルの整備から法的措置まで伴走します。まずは無料の実務資料をご覧ください。 無料実務資料を見る 無料で相談する まとめ|「個別対応」から「組織としての方針」へ ECサイトのカスタマーハラスメントは、対面のクッションがない分エスカレートしやすく、放置すれば従業員の離職やブランド毀損という形で会社に跳ね返ってきます。重要なのは、担当者個人の裁量に任せるのではなく、返品・返金の判断基準、対応打ち切りの基準、法的手段の選択肢まで含めた「組織としての方針」をあらかじめ整備しておくことです。 2026年10月には改正労働施策総合推進法の施行によりカスタマーハラスメント対策が全企業に求められるようになります。方針の整備・社内規程の作成は、この機会にまとめて行うことをおすすめします。 カスハラ対応マニュアルの整備は弁護士法人ブライトへ 顧問先130社以上・弁護士歴平均14年以上のチームが、貴社の実情に合わせた対応規程・マニュアル整備から法的措置まで伴走します。 顧問弁護士サービス「みんなの法務部」を見る 無料で相談する(お問い合わせ) 関連記事:カスタマーハラスメント対応|カスハラは会社が主体的に動く問題です