下請・業務委託で代金減額を求められたときの対応|下請法の使い方 発注元から「今月から単価を下げてほしい」「インボイス導入したから消費税分を引かせてほしい」と言われた。 断りたくても、取引を切られるのが怖くて黙って従ってしまっている——こうした状況に置かれている会社・フリーランスが多くいます。 はっきりお伝えします。要件を満たせば、こうした減額要求は下請法違反です。 泣き寝入りしなくて済む場合があります。 下請法とは何か 正式名称は「下請代金支払遅延等防止法」。親事業者(発注する側)が下請事業者(受注する側)に対して不当に不利な取り扱いをすることを禁止する法律です。 中小企業・フリーランスを守るために設けられており、違反した場合は公正取引委員会が勧告・指導を行います。 どんな取引に適用されるか 下請法の適用には、資本金の規模と取引の種類に条件があります。 主なケースを確認します。 資本金3億円超の会社が、3億円以下の会社に物品の製造・修理を委託する場合 資本金1,000万円超の会社が、1,000万円以下の会社にサービス(情報成果物・役務提供)を委託する場合 フリーランス新法(2024年11月施行)では、さらに広い範囲の取引に規制がかかる 「うちは小さい会社だから関係ない」と思っている方も、相手が大きければ下請法の対象になる可能性があります。 下請法が禁止する「不当な減額」 下請法第4条は、親事業者が発注後に下請代金を減額することを原則禁止しています。 特に問題になるのが以下のパターンです。 一方的な単価引き下げ:発注書に書かれた金額より低い代金しか払わない インボイス制度を理由とした天引き:免税事業者への報酬から消費税仕入控除相当額を勝手に差し引く(同意なしは違反) 仕様変更を理由にした減額:受注後に「仕様が変わった」として代金を下げる やり直しを命じて追加コストを負担させる:不当なやり直し指示による実質的な報酬減額 こんな相談がよくあります 音楽・コンテンツ業界で著作権印税の分配を行う会社が、インボイス制度導入後に免税事業者のクリエイターへの報酬から消費税仕入控除分(20%)を同意なしで天引きしていたケースがあります。 これは下請法第4条1項3号(下請代金の不当な減額禁止)違反にあたる可能性がありました。公正取引委員会への申告の要否も含め、弁護士が意見書を作成し対応方針を整理しました。 発注元が大企業であっても、法律に基づいて対抗できます。 「これは違法ではないか」と思ったら、まず確認してください。 泣き寝入りせず、正当な報酬を受け取るための第一歩として、ご相談ください。 → 企業法務・下請トラブルのご相談はこちら:/corporationlaw/ 電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00) 対応方法:不当な減額要求へのステップ ステップ1 記録を残す まず、減額を求めてきた発注元のメール・チャット・電話の内容を記録してください。口頭での要求は、後から「そんな話はしていない」と言われます。電話の場合はメールで内容を確認するよう送り直しましょう。 ステップ2 下請法の適用があるか確認する 相手の資本金・取引の種類・発注書の内容を確認します。適用があれば、「下請法に基づき応じられない」と明確に伝えることができます。 ステップ3 公正取引委員会への申告を検討する 下請法違反は、公正取引委員会・中小企業庁に申告することができます。申告は匿名でも可能です。勧告・指導が入ることで、発注元の対応が変わるケースがあります。 ステップ4 弁護士名での通知を検討する 減額の撤回・未払い分の支払いを求める通知を、弁護士名義で送ることで交渉力が高まります。 フリーランス新法との関係 2024年11月に施行されたフリーランス新法では、業務委託者(発注元)が報酬を減額することを禁止しています。 「システムトラブルで成果物が少なくなったから減額する」というケースも、事前の合意なしには認められない可能性があります。業務委託契約の内容と実際の運用がずれていないか、確認しておくことを推奨します。 仕組みとして守るために 単発の対応だけでなく、「減額を求められない仕組み」を作ることが長期的な解決策です。 発注書・個別契約書に単価変更の条件を明記する 変更が必要な場合は双方合意の書面を義務付ける 定期的に取引条件の見直しをする際のルールを定める 顧問弁護士がいれば、契約書の整備から取引慣行の見直しまで一貫して対応できます。 → 顧問弁護士サービスの詳細はこちら:/corporationlaw/service/ 電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00) 関連記事 業務委託契約で揉めやすい5つの条項と対処法 SES・業務委託の未払い報酬を仮差押えで回収する方法 取引先が支払ってくれないときの初動対応 よくある質問 Q. インボイス制度を理由にした報酬の天引きはすべて違法ですか? A. 一方的な同意なしの天引きは下請法違反になる可能性があります。ただし、双方が合意したうえで報酬額を見直した場合は異なります。天引きがあった場合は状況を整理して弁護士に相談することが一般的です。 Q. 下請法の適用がない場合、減額要求に対抗する手段はありますか? A. 下請法が適用されない取引でも、契約書に単価変更の手続きが定められていれば、それに反する減額要求に対して交渉・拒否ができます。また、民法上の不当利得や債務不履行として対抗できる余地もあります。弁護士にご相談ください。 Q. 費用はどのくらいかかりますか? A. 事案の内容・複雑さによって異なります。みんなの法務部では初回相談無料でご案内しています。 監修:弁護士法人ブライト 大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。みんなの法務部として中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。 本記事は一般的な法的情報の提供を目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な案件については、弁護士にご相談ください。 よくある質問 Q. インボイス制度で報酬から消費税分を引かれました。これは違法ですか? A. 発注元との事前合意なしの天引きは下請法違反になる可能性があります。ただし双方が合意した場合は異なるため、状況を整理したうえで弁護士にご相談ください。 Q. 下請法が適用されない取引で減額を求められたら、どう対抗できますか? A. 契約書に単価変更の手続きが定められていれば、それに反する減額要求に対して交渉・拒否できます。また民法上の対抗手段もあるため、弁護士にご相談いただくのが一般的です。 Q. 減額要求への対応を弁護士に相談する場合、費用はいくらですか? A. 事案の内容や複雑さによって異なります。初回相談を無料で実施しているため、まずは具体的な状況をお聞きのうえ、費用をご提示する流れが一般的です。