取引先が倒産しそうなときに会社がやるべきこと|売掛金回収の優先手順

取引先が倒産しそうなときに会社がやるべきこと|売掛金回収の優先手順

取引先が倒産しそうなときに会社がやるべきこと|売掛金回収の優先手順

取引先の支払いが突然遅れてきた。担当者からの返信が来なくなった。いつも元気だった社長が「今は少し待ってほしい」と言い始めた。

こういったサインが出たとき、多くの会社は「まだ大丈夫かもしれない」と様子を見てしまいます。しかし、倒産手続きが始まってからでは、売掛金の回収はほぼできなくなります。

サインに気づいた時点で、すぐに動くことが唯一の対策です。


倒産の予兆を見逃さない

以下のサインが重なる場合は、倒産リスクが高まっています。

  • 支払い期日を過ぎても振り込みがない(特に初めての遅延)
  • 「来月には払える」という引き延ばしが続く
  • 担当者・社長からの連絡が取れなくなる
  • 会社の電話が繋がりにくくなる
  • 他の取引先でも似た状況が発生しているという噂
  • 登記上の本店所在地に実態がなくなっている

複数当てはまる場合は、早急に手を打つ段階です。


倒産前にできる売掛金回収の手段

手段1 相殺

自社が取引先に対して「支払うべき代金」(買掛金)がある場合は、それと売掛金を相殺することが可能です。

倒産手続きに入ると、相殺には条件や制限が生じます。倒産前に相殺できれば、実質的な回収になります。「買掛金を払う前に売掛金を相殺する」という処理を、速やかに行ってください。


手段2 担保の確認・設定

取引先が在庫・不動産・売掛金などの資産を持っている場合、担保を設定することで倒産後の回収順位が上がります。

ただし、倒産直前の担保設定は「偏頗弁済」として無効になる可能性があります(破産法上の否認権)。早めに動くほど有効性が高くなります。


手段3 在庫の引き上げ・所有権留保の確認

売掛金の対象商品がまだ相手方の手元に残っている場合、所有権留保条項があれば引き上げが可能です。

契約書に「代金完済まで所有権は移転しない」という条項が入っていれば、商品を回収できる可能性があります。


手段4 仮差押え

「払ってもらえない可能性が高い」と判断できる場合は、裁判所に仮差押え申立を行うことで、相手方の銀行口座・不動産・売掛金を仮に押さえることができます。

仮差押えは本案訴訟より先に申立てることができ、財産が散逸する前に保全できます。弁護士が介入すれば、申立書の作成から担保の準備まで一括で対応できます。


こんな相談がよくあります

建材業者が、孫請業者に建材を供給したにもかかわらず代金が支払われないというケースがあります。

孫請業者が支払い不能状態になりましたが、元請(上位の会社)に対して債権者代位の通知を行い、元請が孫請に払うはずだった工事代金を先に回収することができました。

孫請に代理人弁護士がついた時点ですでに倒産間際でしたが、元請への迂回請求によって一部を回収できた事例です。「誰が誰に払うはずだったか」を整理すれば、回収ルートが見えることがあります。


「もしかして倒産するかも」と感じたら、まず相談してください。

先手を打てるかどうかで、回収できるかどうかが決まります。

→ 売掛金回収・債権回収のご相談はこちら:/corporationlaw/

電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00)


倒産後(破産手続き開始後)にできること

倒産手続きが開始してしまった場合、回収手段は大幅に限られます。

破産手続きの場合:債権者として届け出を行い(債権届出)、配当を受けることになります。ただし無担保債権者への配当は、実際には数パーセント以下になることが多く、全額回収はほぼ期待できません。

民事再生の場合:事業を継続しながら債務を圧縮する手続きです。取引の継続を条件に一部回収できる場合があります。取引を継続すべきか打ち切るべきかは、弁護士に確認してから判断してください。


会社を守る仕組みとして

取引先の倒産リスクを早期に察知するためには、日常的な与信管理(取引先の財務状況の把握)が重要です。

  • 新規取引開始時に与信調査を行う
  • 一定金額以上の売掛金は担保・保証を検討する
  • 支払いの遅延をシステムで管理し、アラートを設定する

顧問弁護士がいれば、与信管理のルール策定・契約書への所有権留保条項追加・トラブル発生時の即時対応まで一貫してサポートできます。

→ 顧問弁護士サービスの詳細はこちら:/corporationlaw/service/

電話:0120-929-739(受付 9:00〜18:00)



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よくある質問

Q. 取引先が倒産手続きに入ってしまいました。もう回収はできませんか?

A. 倒産手続き開始後は債権届出を行い配当を受ける手順が一般的ですが、担保・保証・相殺などを事前に手当てしていた場合は別途回収できる可能性があります。具体的な状況を弁護士にご相談ください。

Q. 仮差押えは相手に事前通知なしでできますか?

A. 仮差押えは原則として相手に知らせずに申し立てできます(密行性)。財産を隠されるリスクがある場合は、弁護士を通じて速やかに申立を進めることが重要です。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 事案の内容・複雑さによって異なります。みんなの法務部では初回相談無料でご案内しています。


監修:弁護士法人ブライト

大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。みんなの法務部として中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。

本記事は一般的な法的情報の提供を目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な案件については、弁護士にご相談ください。

よくある質問

Q. 取引先の支払いが遅れたら、いつまでに対応すべきですか?

A. 倒産手続きが始まると売掛金の回収はほぼ困難になるため、支払い遅延の初期段階での対応が重要です。複数の倒産予兆が見られた場合は、すぐに相殺や担保設定などの手段を検討することが一般的です。具体的な対応時期については弁護士にご相談ください。

Q. 倒産前に相殺や担保設定をするのにかかる費用は?

A. 対応内容や案件の複雑さにより異なります。弁護士法人ブライトでは初回相談が無料で、具体的な事案に基づいた見積もりをご案内しています。早期相談により最適な対応方法と費用をご提示することが可能です。

Q. 倒産後に回収する方法はありますか?

A. 倒産手続き開始後は配当を受けることが一般的ですが、無担保債権者への配当は数パーセント以下になることがほとんどです。ただし事前に担保・相殺を手当てしていた場合は別途回収の可能性があり、民事再生では取引継続で一部回収できることもあります。詳細はご相談ください。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。
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