監修:和氣 良浩(わけ よしひろ) 弁護士法人ブライト|代表弁護士|大阪弁護士会 弁護士歴20年目。大阪で中小企業の企業法務・顧問弁護士サービスを提供。顧問先130社以上に透明性の高いリーガルサポートを実践している。 Amazonセラーセントラルのアカウントが恒久停止または閉鎖になり、セラーセントラル上の残高(売上金)が引き出せない状態になっている方は多い。「もうアカウントは諦めた。でも留保されているお金だけはどうにかならないか」という問い合わせが、弁護士法人ブライトに相次いでいる。 結論から言う。アカウントが閉鎖されていても、留保された売上金を返還請求できる可能性がある。アカウントの停止・閉鎖は、売上金の没収を自動的に意味しない。この記事では、その法的根拠と実際に返還を求めるための手順を解説する。 なお、この記事は法的判断の提供を目的とするものではない。個別事情によって結論は異なるため、具体的な判断は弁護士への相談をお勧めする。 Amazonに留保された売上金、取り戻せる可能性があります 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。まずは無料でご相談ください。 顧問弁護士サービス「みんなの法務部」を見る 無料で相談する(代表 06-4965-9590) 1. 「アカウント閉鎖=売上金没収」ではない理由 多くのセラーが「規約違反をした自分が悪い。だから売上金を没収されても仕方ない」と思い込んでいる。しかし、この認識は法律的に正確ではない。 アカウント停止の根拠と売上金留保の根拠は別物 Amazonはアカウントを停止または閉鎖する権限を利用規約(BSA)上持っている。しかし、そのことが既に発生した売上金を留保・没収する法的根拠になるかは別問題だ。 アカウントの停止は、今後のサービス利用を止める措置にすぎない。対して、既に商品が売れ、顧客に届き、返品期間も過ぎた取引で生じた売上金は、セラーの財産だ。Amazonがその財産を留保し続けるためには、留保を正当化する別の根拠が必要になる。 留保は「制裁・没収」ではなく「調査・担保」目的にすぎない Amazonが売上金を留保する目的は、利用規約上、主に次の2つとされている。 返品・返金・紛争対応のための資金確保(将来発生する可能性のある損害の担保) 規約違反調査期間中の資金保全 つまり、留保は本来「調査や将来の損害への備え」のための一時的な措置だ。具体的な損害額や損害の発生可能性が示されないまま、全額・無期限・全アカウントを包括的に留保することは、その目的の範囲を超えている可能性がある。 留保が「不当利得」になり得るケース 具体的な損害の立証もなく、返金・返品請求が終了した後も留保が続く場合、その継続には法律上の根拠がなくなる可能性がある。この場合、民法上の不当利得返還請求(民法703条・704条)として売上金の返還を求めることが考えられる。 関連する主な法的根拠 民法703条・704条(不当利得返還):法律上の原因なく他人の財産から利益を受けた者は、その利益を返還する義務を負う 民法466条(債権譲渡):アカウント譲渡があった場合でも、既に発生した売上金債権は原則として有効に存在し、対抗要件を備えれば返還請求できる可能性がある 根拠条文:民法466条・703条・704条 「諦めるしかない」と思う前に、法的手段を確認する 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。まずは無料でご相談ください。 顧問弁護士サービス「みんなの法務部」を見る 無料で相談する(代表 06-4965-9590) Amazonアカウント閉鎖後 売上金返還請求の勝ち筋(3つの核心論点) 論点 Amazonの主張(想定) 弁護士が突くポイント ①根拠の分離 規約違反を理由に売上金を留保する 「停止の根拠」と「売上金留保の根拠」は別。規約違反≠売上金没収 ②担保目的の限界 損害担保のために全額・無期限留保する 具体的損害額の立証なしに全額・無期限・包括留保は不可 ③比例原則 問題があるアカウントの残高を全て保留する 問題が特定されていない部分の売上金まで含む包括留保は比例原則に反する 2. 思い込みを覆す4つのポイント 多くのセラーは複数の「思い込み」によって、諦めることを選んでいる。それぞれを法的な視点から見直す。 「規約違反した自分が悪い」という思い込み 規約違反があったとしても、それは今後のアカウント利用を停止させる理由にはなる。しかし、過去の取引で既に発生した売上金を失う理由には直接ならない。 たとえば、ドロップシッピングポリシー違反や複数アカウント保有は、Amazonの内部規定に反する行為だ。しかし、それらはAmazonのサービス利用規約上の問題であり、民事上の財産権に自動的に影響するものではない。Amazonが実際の損害を被ったかどうか、被ったとして金額がいくらかを別途立証しなければ、その損害額と同額の売上金を「相殺・差し引き」する正当性は生じにくい。 「Amazonがルール、逆らえない」という思い込み Amazonの利用規約はたしかに強力だ。しかし、日本で事業を行う法人・個人事業主には、日本の法律が適用される。留保された売上金はあなたの財産であり、その返還を求める法的手段がある。 Amazonの利用規約(BSA)には仲裁条項や準拠法条項があり、「日本の裁判所で争えるか」という問題は確かに存在する。ただし、実際にAmazonの売上金返還を求めて日本の裁判所で係争し、Amazonが応訴・和解交渉に応じた事例がある。管轄の問題は、弁護士が事情を聞いた上で判断すべき事項だ。 「お金はもう諦めるしかない」という思い込み アカウントが閉鎖・恒久停止になった場合、逆に言えば「訴訟を起こしてもアカウントを失うリスクがない」状況でもある。アカウントが終わっているからこそ、法的手段を取ることの不利益がなくなる。これが「閉鎖確定セラー×高額残高」の特有の状況だ。 アカウントを継続したいセラーにとっては、法的手段を取ることで永久BANになるリスクが大きな壁になる。しかし閉鎖が確定したセラーにはその壁がない。 「弁護士費用が高い」という思い込み 弁護士法人ブライトでは、Amazonセラーの売上金返還請求について回収額の20〜30%(税別)の成功報酬型での対応を基本としている。実費や回収不能時の扱いについては相談時にご案内する。留保残高が大きいケースほど費用対効果が立つ構造だ。 3. 返還請求できるケース・できないケース すべてのセラーが対象になるわけではない。弁護士が事情を確認したうえで判断するが、一般的な目安は以下のとおりだ。 請求を検討できるケース(例) 対象外になり得るケース(例) アカウント譲渡(既発生の売上金債権は民法466条で原則有効) 架空取引・詐欺的取引が確認されているケース ドロップシッピングポリシー違反(内部規定違反・刑事性なし) 偽造品の故意販売が立証されているケース 複数アカウント保有(プラットフォーム内部規定違反のみ) マネーロンダリング等の刑事犯罪が関係するケース 真贋クレームで偽造品と立証されていないケース(正規仕入証憑あり等) 刑事罰付き転売規制違反が関係するケース 上記はあくまで一般的な目安だ。個別事情により判断が異なるため、まずは弁護士に事情を話すことが先決だ。 「規約違反=全額没収」ではない、という核心 仮に規約違反があったとしても、Amazonが被った損害の金額を具体的に立証できなければ、その損害と同額を超える売上金の留保・没収には法的根拠が生まれにくい。比例原則に反する過大な留保は正当化できないという考え方が法律上の根拠になる。 あなたのケースが対象になるか、まず確認を 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。まずは無料でご相談ください。 顧問弁護士サービス「みんなの法務部」を見る 無料で相談する(代表 06-4965-9590) 4. 弁護士が行う法的手段の流れ 売上金の返還請求を弁護士が進める場合、一般的に以下の流れをたどる。 ステップ1:事情聴取と受任判断 アカウント停止の原因・経緯・留保残高の規模・仕入証憑の有無などを弁護士が確認し、受任可否を判断する。不法原因が関係するケースは受任しない。 ステップ2:内容証明郵便による請求書送付 Amazon Japan(またはAmazon.com, Inc.)に対して、内容証明郵便で留保売上金の返還を求める通知書を送付する。これにより請求の意思を公式に伝え、回答・交渉の場を設ける。 ステップ3:交渉または訴訟 Amazon側が応じる場合は交渉で解決を目指す。応じない場合は訴訟による請求を検討する。訴訟では管轄の問題(BSAの仲裁条項等)への対応が必要になるため、弁護士の判断が重要になる。 ステップ4:解決 和解または判決による解決。回収できた場合、成功報酬(回収額の20〜30%・税別)が発生する。 5. 大阪・中小企業向け企業法務なら弁護士法人ブライトへ 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は、大阪を拠点に中小企業の企業法務を担う外部法務部だ。顧問先130社以上の実名を公開しており、弁護士歴平均14年以上のチームが対応する。 Amazonセラーの売上金返還請求は、EC・プラットフォーム取引に関わる企業法務の一つだ。「どの弁護士に相談すればいいかわからない」「大阪で対応してもらえる弁護士を探している」という事業者からの相談を受け付けている。 企業法務トップページでは、契約・債権・会社運営など幅広い分野の法務情報を提供している。また、売掛債権の仮差押えや少額訴訟・強制執行など、金銭回収に関わる記事も参考にしてほしい。 閉鎖後の売上金返還について弁護士に相談する 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。まずは無料でご相談ください。 顧問弁護士サービス「みんなの法務部」を見る 無料で相談する(代表 06-4965-9590) よくある質問 Amazonアカウントが恒久停止になっても売上金の返還を請求できますか? 可能性があります。アカウントの恒久停止・閉鎖は、既に発生した売上金を没収する直接の法的根拠にはなりません。留保された残高については、Amazonが具体的な損害を立証できない限り、不当利得返還等の法的手段で返還を求めることが考えられます。個別事情によって判断が異なるため、まずは弁護士にご相談ください。大阪の弁護士法人ブライトでも対応しています。 規約違反が原因でアカウント停止になった場合、売上金は諦めるしかないですか? そうとは限りません。規約違反があったとしても、それは今後のアカウント利用を止める根拠であり、既に発生した売上金を没収する根拠には直接なりません。Amazonが被った具体的な損害額を立証できなければ、その損害を超える金額の留保には法的根拠が生じにくい場合があります。ただし、架空取引・詐欺・偽造品の故意販売など刑事犯罪が関係するケースは対象外です。 費用はどのくらいかかりますか? 弁護士法人ブライトでは、Amazonセラーの売上金返還請求について回収額の20〜30%(税別)の成功報酬型での対応を基本としています。実費や回収不能時の扱いは相談時にご案内します。留保残高が大きいケースほど費用対効果が立つ構造です。まずはお問い合わせください。電話:代表 06-4965-9590。 大阪以外でも相談できますか? はい。弁護士法人ブライトは大阪を拠点としていますが、全国の事業者からの相談にも対応しています(オンライン相談可)。Amazonの売上金返還請求は、大阪地裁を含む日本の裁判所での対応事例があります。所在地に関わらず、まずはお問い合わせください。 アカウント譲渡が原因で停止された場合も請求できますか? 検討できる可能性があります。アカウント譲渡が規約違反であっても、その時点で既に発生していた売上金債権は民法466条の規定により原則として有効に存在します。ただし対抗要件の具備状況や個別事情による判断が必要です。弁護士にご相談ください。 まずは状況を話してみてください 弁護士法人ブライト「みんなの法務部」は大阪の中小企業の外部法務部。顧問先130社以上を実名公開・弁護士歴平均14年以上のチームが伴走します。まずは無料でご相談ください。 顧問弁護士サービス「みんなの法務部」を見る 無料で相談する(代表 06-4965-9590) ▶ Amazonに留保された売上金の回収を弁護士に相談する(専門ページ) Amazonアカウント停止・留保金に関する関連記事 【総合ガイド】AmazonセラーのEC法務 総合ガイド(アカウント停止・売上金回収・真贋調査) Amazon残高が引き出せないときの対処と返還請求 Amazon90日以上の留保解除と不当利得返還 Amazon退店・恒久停止後の残高の取り戻し方