Amazon売上金が90日以上留保されたら|60日後の申立てと長期未払いの対応

Amazon売上金が90日以上留保されたら|60日後の申立てと長期未払いの対応

Amazonの売上金が長期間支払われないとき、「90日を過ぎれば自動的に返金される」「90日を過ぎれば当然に違法になる」とは限りません。現在は、Amazonの公式告知上、売上金が留保された日から60日経過後に、支払いを受けるための異議申立てが可能とされています。60日、90日、実際の支払日は区別して考える必要があります。

60日と90日の意味を区別する

Amazonは2024年10月18日から、売上金留保の解除に関するポリシーを更新し、従来の90日ではなく60日経過後に異議申立てができると告知しました。これは、60日または90日が経過すれば自動的に支払いが行われるという説明ではありません。

時点 確認すること
留保開始時 通知、残高、入金予定、取引明細を保存する
60日経過後 現在の通知・画面に示された方法で支払申立てが可能か確認する
90日経過後も未払い 申立てへの回答、残高表示、支払レポート、銀行入金を突き合わせる

90日経過後も確認が必要な理由

長期未払いでも、本人確認、取引資料、名義、ポリシー上の評価、過去の提出内容など個別の事情があります。90日経過だけで留保の根拠が消滅したと断定したり、直ちに不当利得返還請求だけが唯一の手段になると決めつけたりせず、契約・通知・提出履歴を確認します。

申立て前に準備する資料

  • 売上金留保の開始日が分かる通知と画面
  • 支払レポート、残高、入金予定の推移
  • 銀行口座の入金履歴
  • 本人確認、仕入れ、発送、返品に関する資料
  • Amazonへ提出した全ての文面、添付、回答
  • アカウント名義、法人変更、譲渡がある場合の資料

残高が0円になった場合も、表示の変化だけで支払済みや権利消滅と判断せず、変更前後の記録を保存してください。

任意の申立て・交渉と法的請求

まずAmazonが案内する申立ての入口と必要資料を確認します。回答が得られない、説明が整合しない、金額や事業への影響が大きい場合には、弁護士からの通知や交渉、訴訟の検討に進むことがあります。どの手段が適切かは、留保の根拠、契約関係、証拠、費用対効果によって異なります。

和解案では権利放棄の範囲を確認する

返金提案が届いた場合、支払額だけでなく、清算対象、アカウント再開、在庫、将来請求、秘密保持などを確認します。売上金の返還とアカウント再開は別の目的です。署名前に、何が解決し、何が残るかを整理してください。

弁護士に相談する目安

  • 60日経過後に所定の申立てをしたが、長期間回答・支払いが進まない
  • 90日を超えて未払いが続き、残高表示も変わった
  • 名義変更、譲渡、法人変更があり、請求主体の整理が必要
  • 和解案や権利放棄を含む書面を受け取った
  • 留保が資金繰りや事業継続に影響している

全体像はAmazonの留保金・売上金を取り戻すための確認事項、アカウント停止の原因と初動はAmazonアカウント停止時の対応をご覧ください。

契約上の支払請求と不当利得

Amazonのサービスビジネスソリューション契約を基礎に、支払時期と留保根拠を特定し、契約上の支払請求を先に検討します。

民法703条は、法律上の原因なく他人の財産・労務によって利益を受け、そのために他人へ損失を及ぼした受益者に、利益が現存する限度で返還義務を負わせる規定です。「90日を超えた」という経過だけで法律上の原因が失われ、不当利得が成立すると結論づけることはできません。

民法704条は、不当利得の成立要件を別に定めるものではなく、悪意の受益者に利息を付した返還と、なお残る損害の賠償責任を定めます。悪意とは法律上の原因がないことを知って利益を保持したことをいい、支払いの拒否や長期留保だけで直ちに悪意と判断されるものではありません。

時効の起算点は支払期と通知から確認する

停止日、留保開始日、60日経過日、申立日、判断日は同じとは限りません。民法166条の起算点と旧法・改正法の経過措置を確認します。

民法(e-Gov)

長期未払い通知への対応

通知の趣旨を要約した表示例で、公式原文の引用ではありません。

要約例 対応
60日後に申立て可能 留保開始日と指定入口を確認
追加確認中 要求事項と過去提出を照合
支払いを認めない 理由・契約条項・控除を確認し交渉を検討
残高0円 支払レポートと実入金を照合

交渉・訴訟と保全の限界

書面請求・交渉で進まなければ訴訟を検討します。仮差押えは金銭執行を確保する制度で、アカウント再開を命じる手段ではありません。保全すべき権利と保全の必要性を疎明する必要があり、裁判所から担保を立てるよう命じられる場合があります。

相談で見られる共通パターン

申立て後も送金がなく、残高表示まで変わり、未払額の確定からやり直す相談があります。画面だけを請求額にせず、取引単位の支払レポートと実入金を照合します。これは成果事例ではありません。

弁護士法人ブライトの企業法務部は、顧問先142社社、企業法務部の弁護士歴平均14年以上の企業支援経験を基に、留保通知、支払レポート、実入金を照合して対応方針を検討します。

よくある質問

60日が経過すれば自動的に売上金が支払われますか?

いいえ。Amazonの公式告知は、留保日から60日経過後に支払いを受けるための異議申立てが可能になると説明しています。自動返還とは説明していません。

90日を過ぎれば留保は当然に違法ですか?

経過日数だけでは断定できません。留保の理由、契約、通知、申立てへの回答、取引資料を確認する必要があります。

和解案が届いたら何を確認しますか?

支払額だけでなく、清算対象、将来請求、アカウント、在庫、秘密保持などの条項を確認します。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。
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