AmazonセラーのEC法務ガイド|アカウント停止・売上金回収・真贋調査対応を大阪の弁護士が解説

AmazonセラーのEC法務ガイド|アカウント停止・売上金回収・真贋調査対応を大阪の弁護士が解説

和氣 良浩

監修:和氣 良浩(わけ よしひろ)

弁護士法人ブライト|代表弁護士|大阪弁護士会

大阪で20年以上、中小企業の企業法務・顧問弁護士サービスを提供。顧問先130社以上に透明性の高いリーガルサポートを実践している。

「突然Amazonからアカウント停止の通知が来た。理由が不明確で、売上金まで保留されている」「競合セラーに真贋調査を申告され、アカウントが凍結された」「Amazonセラーとしての事業を譲渡したいが、法的に問題はないか」——こうした相談が、大阪の弁護士法人ブライト「みんなの法務部」に届くようになっています。

Amazonは国内EC市場で大きなシェアを占め、専業セラーや法人セラーの売上の大半をAmazon経由で得ているケースは珍しくありません。その分、アカウント停止はビジネスの存亡に直結する緊急事態です。「プラットフォームに言われたら従うしかない」と思い込んでいる経営者が多いですが、日本の民法・不法行為法はAmazonにも適用され、正当事由のない停止・売上金保留は法的に争えます。

このページでは、AmazonセラーのEC法務に関する主要論点を体系化します。被害額100万円以上の法人・中規模セラーを主な読者として想定しています。

Amazonアカウント停止・売上金問題は弁護士に相談する

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Amazonセラーのアカウント停止とは

Amazonのセラーアカウント停止は、出品者との利用規約(Amazonサービスビジネスソリューション契約)に基づいて実行されます。停止の通知は電子メールで届きますが、「ポリシー違反」「規約違反」などの概括的な理由しか示されないケースが多く、具体的に何が問題だったのか理解できないまま対応を迫られます。

停止の主な原因パターン

停止原因 特徴・よくある誤解 法的対応の方向性
真贋調査への対応不備 競合セラーの虚偽申告が原因のケースあり 仕入証明の提出+申告の不当性を主張
クレーム率・返品率超過 基準値をわずかに超えた段階で停止されることも アカウント復活申請(POA)の作成支援
複数アカウントの疑い 同一端末・同一IP・家族名義の混同 事実関係の整理と申請書の作成
知的財産権侵害申告 競合による虚偽申告が相当数含まれる 申告者への損害賠償請求も選択肢
規約の改訂・解釈変更 セラーに通知なく規約が変更されていた事例 規約変更の正当性と停止の合理性を検討

弁護士法人ブライトが対応したケースでは、競合セラーから虚偽の知的財産権侵害申告をされて無実のまま停止されたケースがありました。この場合、Amazonへの不服申立てと並行して、申告を行った競合セラーへの損害賠償請求(不正競争防止法2条1項21号・民法709条)を検討することになります。

売上金(保留金)の返還請求

アカウント停止に伴い、それまでの売上金が「保留」された状態になります。Amazonは利用規約上、一定期間保留できる権限を持っていますが、停止が正当でない場合や保留期間が不当に長い場合は、法的に返還を求めることができます。

返還請求の法的根拠

売上金返還請求の主な法的根拠

  • 不当利得返還請求(民法703条):停止が正当でない場合、Amazonが「法律上の原因なく」売上金を保有していると主張できる
  • 債務不履行に基づく損害賠償(民法415条):利用規約上の保留権限の範囲を超えた保留は契約違反にあたる
  • 不法行為に基づく損害賠償(民法709条):正当事由のない停止が故意・過失による権利侵害にあたる場合

根拠条文:民法703条・415条・709条

実務上、Amazonとの直接交渉は難航することが多く、弁護士名義での内容証明郵便送付→交渉→調停・訴訟というフローが一般的です。売上金・在庫代金の法的回収方法についてはAmazon売上金・在庫代金の凍結を弁護士が法的に回収する方法で詳しく解説しています。

また、アカウント停止による損害賠償請求の全体的な手続きはAmazon・ECアカウント停止の損害賠償請求方法をご参照ください。

売上金保留・アカウント停止の対応は早めに相談する

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真贋調査でアカウント停止になった場合

Amazonの真贋調査(Product Authenticity Claim)は、ブランド権利者または購入者がAmazonに対して「この出品は偽物ではないか」と申告する制度です。申告を受けるとAmazonは出品を停止し、セラーに仕入証明書・正規の流通ルートを証明する書類の提出を求めます。

問題は、この制度が競合セラーによる嫌がらせに悪用されるケースがある点です。正規品を販売しているにもかかわらず、競合セラーが根拠なく「偽物申告」を行ってアカウントを停止させる手法は、不正競争防止法2条1項21号(競争者の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知・流布する行為)に該当する可能性があります。

弁護士が関与することで、(1) Amazonへの不服申立て書面作成、(2) 競合セラーの特定(発信者情報開示請求)、(3) 損害賠償請求の3段階での対応が可能になります。真贋調査でアカウント停止になった場合の対応についてはAmazon真贋調査でアカウント停止になったときの対応方法をご参照ください。

セラーへのカスタマーハラスメント対応

Amazonの購入者から「脅迫的なメッセージ」「根拠なく大量の偽レビューを書く」「過剰なクレームで返品・返金を繰り返す」といった迷惑行為を受けるケースが増えています。これらはカスタマーハラスメント(カスハラ)として、法的対応が可能です。

Amazonセラーの場合、カスハラの特徴として以下があります:

  • 購入者がAmazonを通じてクレームを入れることでアカウントのクレーム率が上がる
  • 「悪いレビューを書く」と脅して返金を求める(強要罪・恐喝罪の構成要件に該当しうる)
  • 実際には使用していない商品について「偽物」と主張して申告する

セラー向けのカスタマーハラスメント対策と法的対応についてはAmazonセラーへのカスタマーハラスメント対策と法的対応をご参照ください。

Amazonセラーアカウントの譲渡

ECサイトの事業譲渡・M&Aでは、Amazonセラーアカウントの取り扱いが重要な問題になります。Amazonの利用規約上、セラーアカウントは他人への譲渡が原則禁止されています。これを知らずにアカウントを「売買」した場合、Amazon側に発覚するとアカウントが停止されます。

適法に対応するためには、「アカウントそのものを売る」のではなく「アカウントを所有する法人の株式を譲渡する」(会社売却型)か「在庫・顧客リスト・ブランド資産を事業譲渡し、新たにアカウントを開設する」(資産売却型)というスキームを検討します。それぞれに法的メリット・デメリットがあり、税務・会社法上の整理も必要です。Amazonセラーアカウントの譲渡問題についてはAmazonセラーアカウント譲渡でアカバンされたときの対処法をご参照ください。

EC事業者の予防法務(弁護士に頼る前にできること)

Amazonトラブルは「発生してから対応する」より「事前に防止する仕組みを作る」ほうがコストは低くなります。弁護士法人ブライトが顧問先のEC事業者に提供している予防法務の主な内容は以下のとおりです。

  • 利用規約の定期確認:Amazonの規約改訂は頻繁であり、気づかないまま違反状態になっているケースがある
  • 仕入証明の整備:真贋調査対策として、正規の仕入ルートを示す書類(請求書・商標使用許諾書)を事前に整備する
  • 競合モニタリング体制:不正な申告を行う競合セラーを早期発見するための監視フローの設計
  • カスハラ対応マニュアル:購入者からの迷惑行為に対して初動から法的対応まで一貫した対処方法を整備
  • EC事業のM&A準備:アカウント・ブランド・在庫の法的整理を事前に行い、将来の譲渡・売却に備える

小売・EC事業に特有の法律問題全般については小売・EC事業でよくある法律トラブルと弁護士が必要なタイミングもあわせてご覧ください。

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AmazonセラーのEC法務でよくある質問

Amazonアカウントが停止されたとき、まず何をすればよいですか?

停止通知のメールを保存し、停止理由として記載された事項を確認します。Amazonから「POA(Plan of Action)」と呼ばれる改善計画の提出を求められる場合が多く、これが復活申請の主要書類になります。ただし、POAの内容が不適切だとAmazonに「無実の認識がない」と判断されるリスクがあります。提出前に弁護士への相談を強く推奨します。また、売上金の保留額・在庫の状況を早期に確認し、保留金の規模によっては仮差押え等の保全手続きを検討します。

Amazonとの交渉は弁護士に頼まないとできませんか?

セラー自身でPOAを提出してアカウントを復活させるケースもあります。ただし、売上金が数百万円以上保留されている場合、または競合セラーによる不正申告が疑われる場合は弁護士関与が有効です。弁護士名義での内容証明郵便はAmazonのコンプライアンス部門に対して正式な法的請求として扱われ、自己申請とは処理ルートが異なります。大阪の弁護士法人ブライトでは、被害額100万円以上を目安に相談をお受けしています。

競合セラーから嫌がらせを受けています。法的に対抗できますか?

競合セラーによる虚偽の知的財産権侵害申告・偽レビューの投稿・不正競争行為は、不正競争防止法(2条1項21号・信用毀損行為)または民法709条(不法行為)に基づく損害賠償請求の対象となります。競合の特定には、Amazonを通じた発信者情報開示請求または弁護士照会(弁護士法23条の2)を活用します。損害額の立証(停止期間中の逸失利益・在庫廃棄損害など)を記録として保全しておくことが重要です。

Amazonセラー事業をM&Aで売却するとき、アカウントはどう扱いますか?

Amazonの利用規約上、セラーアカウント自体の第三者への譲渡は禁止されています。適法な事業売却スキームとしては、(1) アカウントを持つ法人の株式譲渡(会社ごと売却)、(2) 商品ラインナップ・ブランド・在庫を事業資産として譲渡し買い手が新規アカウントで再スタートする事業譲渡の2つが主な選択肢です。どちらのスキームにも税務・会社法上の論点があり、買い手のデューデリジェンス(契約・在庫・Amazonアカウントの規約遵守状況)も必要です。大阪の弁護士法人ブライトではEC事業のM&A法務も対応しています。

弁護士法人ブライトはAmazonトラブルに対応していますか?

対応しています。大阪を拠点に、Amazonアカウント停止・売上金返還請求・競合セラーへの損害賠償請求・EC事業のM&A法務を取り扱っています。「みんなの法務部」として顧問先130社以上の実務を担い、弁護士歴平均14年以上のチームが対応します。被害額・状況によって対応フローが異なりますので、まずは無料相談でご状況をお聞かせください。電話:0120-929-739(みんなの法務部専用)。

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本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
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