退職代行から連絡が来たとき会社はどう対応すべきか|会社側の正しい初動

退職代行から連絡が来たとき会社はどう対応すべきか|会社側の正しい初動

退職代行から連絡が来たとき会社はどう対応すべきか|会社側の正しい初動

月曜の朝、見知らぬ番号から電話が来る。「○○様の退職代行を承っております」——。

こうした連絡を受けた経営者・人事担当者は、まず何をすべきか。「無視していいのか」「損害賠償を請求できるのか」「引継ぎはどうなるのか」。混乱して当然です。

結論から言います。退職代行からの連絡は、無視してはいけません。正しく対応しないと、後から会社が労働基準法違反を問われるリスクがあります。

落ち着いて、手順通りに動きましょう。


まず知っておく|退職代行の法的性質

退職代行サービスには、弁護士が行うものと、民間業者が行うものの2種類があります。

  • 弁護士による退職代行:社員の代理人として法律行為が可能。退職の意思表示・交渉・損害賠償の示談まで対応できる。
  • 民間業者による退職代行:あくまで「連絡の代行」のみ。法律的な交渉はできない(弁護士法73条)。

いずれのケースでも、社員本人から退職の意思表示がなされたと考え、対応します。


STEP1|連絡窓口を一本化する

退職代行から連絡が来たら、すぐに社内の対応窓口を一つに決めてください

複数の担当者が個別に対応すると、言った・言わないのトラブルや、対応内容の食い違いが起きます。

人事担当者または総務部門の1名を窓口に指定し、以下を記録します。

  • 連絡があった日時と内容
  • 代行業者の名称・担当者名
  • 弁護士による代行かどうかの確認

STEP2|本人への直接連絡は原則禁止

代行業者から「本人への直接連絡はしないでください」と言われた場合は、その指示に従うのが原則です。

本人が直接の連絡を望んでいない意思を示している以上、無断で連絡することはパワーハラスメントや心理的プレッシャーと受け取られる可能性があります。

確認が必要な事項は、代行業者経由で本人に伝えてもらうよう依頼してください。


STEP3|貸与物の返却を手配する

退職が確定する前後を問わず、会社の備品・貸与物の返却は必ず行わなければなりません

返却を求めるものの例として以下が挙げられます。

  • 社員証・IDカード
  • PC・スマートフォン・タブレット
  • 制服・ユニフォーム
  • 社用車のカードキー
  • 書類・資料

返却方法は、本人が直接来社できない場合、郵送または宅配便での返送を依頼できます。返却用の封筒・伝票を会社負担で手配するのが一般的なやり方です。


STEP4|有給休暇の取り扱いを確認する

即日退職の場合、残っている有給休暇をどう扱うかが論点になります

有給休暇は労働者の権利であり、会社が一方的に消滅させることはできません。

実務上は次のいずれかで処理します。

  • 退職日までの期間に有給休暇を充てる(残日数に応じて退職日を調整する)
  • 有給休暇の買取りに任意で応じる(法的義務はないが、トラブル回避策として有効)

退職日の設定は、民法上の規定(2週間前告知)を参考にしつつ、代行業者との協議で決まることが多いです。


よくある相談例

ある会社では、退職代行から連絡が来た翌日に「引継ぎが全くない状態で、顧客対応も放棄された」として、損害賠償を検討したいという相談がありました。

弁護士が確認したところ、社員の突然退職による損害賠償請求は、実際にはハードルが高いという結論になりました。退職それ自体は労働者の権利であり、「引継ぎをしなかった」という理由だけで損害賠償が認められるケースはほとんどありません。ただし、機密情報の持ち出しや、不正競争防止法違反が伴う場合は別途検討の余地があります。

外国人社員が退職した別のケースでは、退職処理を「退職届→残有休確認→健保書類手続き→貸与物返却」の順で整理し、漏れのないリストを作って対応しました。退職代行でも同じ手順で処理できます。


無視してはいけない理由

「退職代行なんて無視すればいい」という経営者もいますが、それは危険です。

退職の意思表示は代行業者経由であっても法的に有効です。社員が退職代行を通じて退職を申し出た後も会社が出勤を強制したり、退職を認めなかったりすると、強制労働・ハラスメントとして問題になるリスクがあります

また、社会保険の手続きが遅れると、退職した社員が不利益を受ける場合があり、会社の手続き義務違反として問われることもあります。

> 退職代行・問題社員対応のご相談はこちら

> 企業の労務問題 – 弁護士法人ブライト


STEP5|再発を防ぐ仕組みをつくる

退職代行の利用が増えている背景には、「直接言い出しにくい職場環境」があることも少なくありません。

  • 上司への言い出しにくさ
  • ハラスメントへの懸念
  • 引き留め交渉への恐怖

退職代行を使われた後に「なぜこうなったのか」を振り返ることが、次の予防につながります。就業規則の整備、相談窓口の設置、定期的な1on1面談など、組織の風通しを良くする仕組みを導入してください。


まず弁護士に確認を

退職代行への対応は「無視・拒絶」が最悪の選択です。正しく、素早く動くことで、トラブルを最小限に抑えられます。

弁護士法人ブライトでは、退職代行への初動対応から就業規則整備・労務体制の見直しまで、顧問契約を通じて継続的にサポートしています。

> 無料相談・顧問契約のご案内

> 弁護士法人ブライト 企業法務サービス

> 電話:0120-929-739(受付時間 9:00〜18:00)



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よくある質問

Q. 退職代行業者の連絡を無視して、本人に直接連絡しても問題ないですか?

A. 代行業者が「本人への直接連絡はしないでほしい」と伝えてきた場合、それに反して直接連絡することはパワーハラスメントや心理的プレッシャーと受け取られる可能性があります。窓口を一本化し、代行業者経由で対応することが一般的です。

Q. 退職代行を使われた社員に引継ぎを求めることはできますか?

A. 引継ぎの依頼は代行業者経由で行うことが可能ですが、社員が応じない場合に強制する法的手段は限られており、引継ぎ拒否だけを理由とした損害賠償請求は認められにくいのが一般的です。

Q. 費用はどのくらいかかりますか?

A. 事案の内容・複雑さによって異なります。みんなの法務部では初回相談無料でご案内しています。


監修:弁護士法人ブライト

大阪・神戸を拠点に企業法務・顧問弁護士サービスを提供。みんなの法務部として中小企業の法的リスク対応を日々サポートしています。

本記事は一般的な法的情報の提供を目的としており、個別の法律相談に代わるものではありません。具体的な状況については弁護士にご相談ください。

よくある質問

Q. 退職代行から連絡が来た場合、本人に直接連絡してはいけないのですか?

A. 代行業者が直接連絡を避けるよう指示した場合、その指示に従うべきです。反して直接連絡するとパワーハラスメントと受け取られる可能性があります。確認事項がある場合は代行業者経由で対応するのが一般的です。

Q. 退職代行を使われた社員に損害賠償請求できますか?

A. 退職それ自体は労働者の権利であり、引継ぎ拒否だけを理由とした損害賠償請求は認められにくいのが実務です。機密情報の持ち出しなど別の違反がある場合は検討の余地があるため、弁護士にご相談ください。

Q. 退職代行対応について弁護士に相談すべきタイミングはいつですか?

A. 連絡を受けたら早期に弁護士に相談することで、トラブルを最小限に抑えられます。初動対応から就業規則整備まで継続的なサポートを受けることで、再発防止にもつながるため、相談をお勧めします。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。
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