サブスクリプション型サービスの自動更新で「解約しにくい」「気付いたら課金され続けていた」とトラブルになるケースが多発し、2022年6月施行の改正特定商取引法で表示義務が大幅に強化された。BtoC・BtoB双方の事業者が押さえておくべき表示義務と解約手順設計のポイントを整理する。
この記事の結論
- 2022年改正特商法でサブスク提供者は最終確認画面に契約期間・解約方法を表示する義務
- 解約手段は申込みと同程度に簡便でなければならない(解約困難設計の禁止)
- 違反すると是正命令・営業停止・取消権付与のリスク。BtoBも特商法対象範囲に含まれることがある
改正特商法の表示義務
改正特定商取引法11条・12条は、通信販売の最終確認画面に次の事項を明確に表示するよう義務化した。サブスクリプションサービスは通信販売に該当するため適用される。
- 代金(対価)の支払時期・方法
- 商品の引渡時期・期限・サービス開始時期
- 契約期間と更新の有無・更新条件(自動更新の事前明示)
- 解除・解約の方法(同程度に簡便な解約手段の確保)
- 返品・キャンセルの可否と条件
- 事業者の名称・連絡先
解約困難設計の禁止
改正特商法のもう一つの柱が「解約手段は申込みと同程度に簡便にしなければならない」というルール。Web申込みなのに解約は電話のみ、または営業時間内の電話のみなど、解約を困難にする設計は禁止される。
違反すると、消費者は契約取消権を行使でき、すでに支払った料金の返還を求められる。事業者は是正命令・営業停止のリスクも。
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特商法は原則として消費者保護法だが、「事業所等で消費する商品・サービス」を購入する事業者は適用対象外(特商法26条)。ただし、BtoB SaaSでも「個人事業主・小規模事業者の事業外消費」と評価されると特商法適用の可能性がある。
実務的には、BtoBサービスでも改正特商法の表示水準に合わせておくのが安全。コンプライアンス担当者の負担が大きい完全別画面より、最終確認画面に必須事項を表示する設計に統一するのが効率的。
実務での対応ステップ
- 申込みフローの確認:最終確認画面の表示項目を6点チェック
- 自動更新の事前明示:契約期間・更新時期・解約手続を最終確認画面で表示
- 解約手段の整備:管理画面からのワンクリック解約を実装(電話・書面のみは禁止)
- 解約予告期間の見直し:30日前など長期は合理性の説明を要求される
- 解約後の課金防止:システムで自動的に課金停止する仕組み
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