個人事業主・フリーランスへ業務委託する企業が増えるなか、下請法の適用判定とフリーランス保護新法(2024年11月施行)の遵守が必須になっている。発注側企業が押さえるべきルールを整理する。
この記事の結論
- 個人事業主は資本金1,000万円以下と扱われる=発注側資本金1,000万円超なら下請法対象
- 下請法対象になると書面交付義務・60日支払義務・買いたたき禁止等の親事業者義務
- フリーランス保護新法(2024年11月施行)では資本金要件なく適用される場面あり
下請法の適用判定
下請法の適用は、親事業者と下請事業者の資本金区分で判定される。個人事業主は資本金概念がないため、「資本金1,000万円以下」と同等に扱われる。
適用パターン:(1)親事業者資本金1,000万円超 × 下請事業者個人事業主・資本金1,000万円以下、または(2)親事業者資本金3億円超 × 下請事業者資本金3億円以下。それぞれ対象業務(製造委託・修理委託・情報成果物作成委託・役務提供委託)に該当する必要がある。
親事業者の主な義務
①書面交付義務(3条)
発注時に書面(または電子データ)で給付内容・代金額・支払期日・受領場所等を交付しなければならない。口頭発注は違反。
②60日以内の支払義務(2条の2)
給付の受領後60日以内かつできる限り短い期間内に支払う。「月末締め翌々月末払い」のような60日超サイトは違法。
③遅延利息の支払(4条の2)
支払遅延時、遅延期間に応じた遅延利息(年14.6%)を支払わなければならない。
④禁止事項(4条)
受領拒否、減額、買いたたき、購入・利用強制、報復措置、有償支給原材料代金の早期決済、不当返品、不当な経済上の利益の提供要請、著しく低価額での取引、など11類型の禁止行為。
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「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律」(フリーランス保護新法)が2024年11月から施行された。下請法と異なり、資本金要件がなく、個人事業主・1人法人へ業務委託するすべての発注事業者が対象になる場面がある。
新法のポイント:(1)取引条件の明示義務、(2)給付受領後60日以内の報酬支払、(3)受領拒否・報酬減額の禁止、(4)育児介護等の配慮義務、(5)ハラスメント対策の措置義務、(6)契約解除の事前予告。
発注側の運用整備
- 下請法・フリーランス新法該当性の判定フロー:契約締結前のチェックリスト
- 標準発注書の整備:必要記載事項を網羅したフォーマット
- 支払期限の管理:60日以内ルールを経理システムに組み込む
- 禁止行為の社内研修:購買・調達担当者への定期研修
- 苦情・相談窓口の設置:受注側からの苦情を吸い上げる体制
受注側(個人事業主)の防御策
- 発注時に書面(または電子データ)の交付を要求
- 支払サイトを契約書で明示
- 減額・買いたたきを受けたら書面で記録
- 下請かけこみ寺・公正取引委員会への相談
- フリーランス新法相談窓口(厚労省・公取委)の活用
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