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業務委託契約 損害賠償の上限条項は有効か|BtoB事業者間の枠組み

「損害賠償は契約金額を上限とする」――業務委託契約でよくある条項だが、本当にどこまで有効か。BtoB事業者間ではほぼ有効だが、無効化されるラインも存在する。判断枠組みと実務相場を整理する。

この記事の結論

  • BtoB事業者間の損害賠償上限条項は原則有効。消費者契約法の規制対象外
  • 業界相場は「契約金額」または「直近12ヶ月支払額」
  • 故意・重過失時は上限解除するのが標準。完全上限は公序良俗違反リスク

BtoB事業者間の原則

BtoB事業者間の損害賠償上限条項は、契約自由の原則から原則有効。消費者契約法10条の規制対象外で、当事者間の合意がそのまま効力を持つ。

ただし民法90条の公序良俗違反として無効化されるケースもあり得る。極端に低い上限・故意による損害も上限内に抑える条項などが該当する。

業界相場

損害賠償上限の業界相場

  1. システム開発(請負) 契約金額の100%
  2. システム開発(準委任) 直近6ヶ月の支払額
  3. SaaS提供 直近12ヶ月の支払額
  4. コンサルティング 契約金額の50〜100%
  5. Webサイト制作 契約金額の100%
  6. クリエイティブ制作 契約金額の100%
  7. アウトソーシング(BPO) 直近12ヶ月の支払額

損害賠償条項の設計でお困りの経営者様へ

弁護士法人ブライトは、損害賠償上限の合理性評価、契約条文の整備、紛争時の交渉まで伴走サポートします。

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間接損害の除外

「逸失利益・営業機会損失等の間接損害は賠償しない」が標準条項。直接損害のみに限定することで、賠償額の天井を実質的に下げる。

間接損害除外の典型文言:「本契約に関連する一切の損害について、両当事者は逸失利益・特別損害・間接損害について賠償の責を負わない」。

故意・重過失時の上限解除

完全上限の条項(「いかなる場合も契約金額を上限とする」)は、故意による損害も上限内に収めることになり、公序良俗違反として無効化されるリスクがある。

実務的な設計:「ただし、故意または重大な過失による場合、本上限は適用されない」と例外条項を入れる。これにより通常の過失時は上限内、故意・重過失時は実損ベースで賠償、というバランスが取れる。

受注側・発注側の交渉観点

交渉観点

  1. 受注側 上限を低く(直近6ヶ月支払額)/間接損害除外を強く/重過失要件の限定(『悪意または重大な過失』)
  2. 発注側 上限を高く(契約金額または年間支払額)/故意・重過失時は無制限/知財侵害・データ漏えいは上限解除

上限が無効化されるリスク

  • 上限が極端に低い(契約金額の1%等)
  • 故意・重過失も含めて完全上限
  • 知財侵害・人身事故・違法行為も上限内
  • 受注側の力関係で発注側が一方的に押し付けた条項
  • 業界水準から大きく乖離した上限

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和氣良浩 弁護士

この記事の監修者

和氣 良浩(わけ よしひろ)

弁護士法人ブライト|代表弁護士/パートナー弁護士

弁護士歴20年(2006年登録)/大阪弁護士会/大阪大学法学部卒

専門:顧問弁護士・企業法務・M&A・経営権紛争・事業再生

  • この記事を書いた人

笹野 皓平

弁護士法人ブライト パートナー弁護士: あなた自身や周りの方々がよりよい人生を歩んでいくために、また、公正な社会を実現するために、法の専門家としてサポートできることを日々嬉しく感じています。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。

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顧問弁護士担当弁護士

  • image

    笹野 皓平

    2008年

    京都大学 法学部(Kyoto University Faculty of Law)卒業

    2010年

    司法試験合格・立命館法科大学院修了

    2011年

    弁護士登録(大阪)

    2019年

    大阪弁護士協同組合 総代

    法人向け・個人向けを問わず、幅広い業務に取り組んできました。その場しのぎの単なる助言だけで終わるのではなく、最終的な局面を見据えた「真の問題解決」を目指す姿勢を大切にしています。

    プロフィールを詳しく見る

事務所概要

事務所名 弁護士法人 ブライト(大阪弁護士会所属)
開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 0120-931-501(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、経営権紛争、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、契約交渉・契約書作成等、売掛金等の債権保全・回収、経営相談、訴訟等の裁判手続対応、従業員等に関する対応、IT関連のご相談、不動産を巡るトラブルなど)、個人向け(交通事故・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

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