LINE相談

KNOWLEDGE

JV(合弁)契約の経営権分担と出口条項|実務設計

JV(合弁)契約は、複数の出資者が共同で会社を経営する仕組み。出資比率と経営権の関係、デッドロック(意思決定不能)時の対応、出口戦略の設計が重要。長期的な共同事業を成立させるための実務設計を整理する。

この記事の結論

  • JV契約の3軸=経営権分担・デッドロック解消・出口戦略
  • 50:50 JVはデッドロック発生時の解消ルールが決定打
  • 出口条項=コール・プットオプション、ロシアンルーレット、テキサスシュートアウト

JV契約の構成要素

  1. 出資比率と発行株式数
  2. 取締役選任権・経営機関の構成
  3. 拒否権事項(少数株主保護)
  4. 株式譲渡制限・先買権・タグアロング・ドラッグアロング
  5. デッドロック解消条項
  6. 競業避止義務
  7. 知的財産権・ノウハウの取扱い
  8. 出口条項(コール・プット・期間満了時の処理)
  9. 守秘義務・反社条項
  10. 準拠法・紛争解決(仲裁)

経営権分担の典型パターン

①50:50 JV

出資比率50:50で、両者が同等の経営権を持つ形。意思決定はすべて両者合意が必要。デッドロック発生時の解消ルールが必須。

②マジョリティ+マイノリティ

60:40・70:30など、マジョリティ側が日常的経営権を持ち、マイノリティ側に拒否権事項で経営参加を認める形。

③共同経営マイノリティ

技術提供者などマイノリティが少額出資で参加し、技術ライセンスとセットで経営参加する形。

JV・合弁会社の設立・運営でお困りの経営者様へ

弁護士法人ブライトは、JV契約の設計、デッドロック解消条項、出口戦略の整備まで一貫サポートします。

▶ 顧問契約・スポット相談 📞 0120-929-739(平日9-18時)

デッドロック解消条項

①協議期間

デッドロック発生から30〜60日間、両当事者で協議。協議で解決できなければ次の段階へ。

②外部仲介者の関与

中立的第三者(業界専門家・元裁判官等)に仲介を依頼。バインディングではなく勧告に留まる場合が多い。

③ロシアンルーレット

一方が買取価格を提示すると、相手方は(1)その価格で売却するか、(2)同価格で相手方の株式を買い取るか、を選択する。価格提示者が高すぎる価格を提示すると自分が買い取らされ、低すぎると相手方に売却を強制される構造。

④テキサスシュートアウト

両当事者が封筒に買取希望価格を記入し、入札高者が低者の株式を買い取る。

⑤強制清算

デッドロック解消できなければJV会社を清算する。売却益を出資比率で分配。

出口条項(Exit Mechanism)

  • コールオプション:一方が他方の株式を買い取る権利
  • プットオプション:一方が他方に株式を買い取らせる権利
  • タグアロング:少数派が多数派の売却に参加する権利
  • ドラッグアロング:多数派が少数派の売却を強制する権利
  • IPO協力条項:上場時の協力義務・ロックアップ
  • 競業避止義務:JV終了後の事業地域・期間制限

実務でよくある紛争

  • 経営方針の意見対立による意思決定不能
  • 業績不振時の追加出資要請を巡る対立
  • 競業避止義務違反の認定
  • 知的財産権・ノウハウの帰属を巡る対立
  • JV会社からの利益還流(配当・ライセンス料)の不公平

関連する論点・関連記事

和氣良浩 弁護士

この記事の監修者

和氣 良浩(わけ よしひろ)

弁護士法人ブライト|代表弁護士/パートナー弁護士

弁護士歴20年(2006年登録)/大阪弁護士会/大阪大学法学部卒

専門:顧問弁護士・企業法務・M&A・経営権紛争・事業再生

  • この記事を書いた人

笹野 皓平

弁護士法人ブライト パートナー弁護士: あなた自身や周りの方々がよりよい人生を歩んでいくために、また、公正な社会を実現するために、法の専門家としてサポートできることを日々嬉しく感じています。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。

関連記事

顧問弁護士担当弁護士

  • image

    笹野 皓平

    2008年

    京都大学 法学部(Kyoto University Faculty of Law)卒業

    2010年

    司法試験合格・立命館法科大学院修了

    2011年

    弁護士登録(大阪)

    2019年

    大阪弁護士協同組合 総代

    法人向け・個人向けを問わず、幅広い業務に取り組んできました。その場しのぎの単なる助言だけで終わるのではなく、最終的な局面を見据えた「真の問題解決」を目指す姿勢を大切にしています。

    プロフィールを詳しく見る

事務所概要

事務所名 弁護士法人 ブライト(大阪弁護士会所属)
開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 0120-931-501(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、経営権紛争、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、契約交渉・契約書作成等、売掛金等の債権保全・回収、経営相談、訴訟等の裁判手続対応、従業員等に関する対応、IT関連のご相談、不動産を巡るトラブルなど)、個人向け(交通事故・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

お問い合わせ

CONTACT

弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら

お電話での
お問い合わせ

TEL:06-4965-9590

※受付時間 9:00-18:00

法務ドックで経営が変わる

あなたの会社を法的トラブルから守る
弁護士法人ブライト (著)
多くの企業は法的トラブルを未然に防ぐ対策を講じておらず、顧問弁護士も不在です。本書では「法務ドック」を活用し、リスク回避を図る「みんなの法務部」を提案します。
多くの企業は法的トラブルを未然に防ぐ対策を講じておらず、顧問弁護士も不在です。本書では「法務ドック」を活用し、リスク回避を図る「みんなの法務部」を提案します。

顧問弁護士

経営者のための弁護士「活用」バイブル
弁護士法人ブライト (著)
顧問弁護士はトラブル対応だけでなく契約書作成など実務も担う身近な存在となりました。本書では顧問弁護士の活用メリット、自社に合う選び方、法的リスクのマネジメントについて解説します。
顧問弁護士はトラブル対応だけでなく契約書作成など実務も担う身近な存在となりました。本書では顧問弁護士の活用メリット、自社に合う選び方、法的リスクのマネジメントについて解説します。