JV設立時、スタートアップ投資、事業承継――株主間契約(SHA)は、定款だけではカバーしきれない株主間の合意を文書化する重要契約である。経営権・譲渡制限・出口戦略の3軸で、必須条項を整理する。
この記事の結論
- 経営権ブロック=取締役選任・拒否権事項・取締役会運営
- 譲渡制限ブロック=株式譲渡制限・先買権・タグアロング・ドラッグアロング
- 出口戦略ブロック=IPO・売却・コールオプション・プットオプション
経営権ブロック
①取締役選任権
各株主が取締役を何名指名できるかを定める。出資比率に応じる方式が標準。少数株主にも一定数の取締役選任権を認めるのが実務的。
②拒否権事項
重要事項について少数株主に拒否権を与える条項。典型的には、(1)定款変更、(2)増減資、(3)合併・事業譲渡、(4)解散、(5)一定額以上の借入・投資、(6)役員報酬・配当、を列挙。
③取締役会運営
取締役会の議題・議決方法・議事録の取り扱い。少数株主指名取締役の出席権・発言権を確保する条項。
譲渡制限ブロック
④株式譲渡制限
他株主の事前承諾なしに第三者へ譲渡できない旨を規定。定款の譲渡制限と二重に縛る。
⑤先買権(First Refusal Right)
株主が第三者に株式譲渡しようとする場合、他株主が同条件で先に買える権利。少数株主の地位を保護する。
⑥タグアロング権(Tag-Along)
大株主が第三者に株式譲渡する場合、少数株主も同条件で売却に参加できる権利。多数派の独走を防ぐ少数株主保護条項。
⑦ドラッグアロング権(Drag-Along)
大株主が第三者に株式譲渡する場合、少数株主にも同条件で売却に応じることを強制できる権利。買収交渉で「全株売却」を実現するための条項。
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⑧IPO協力義務
上場準備時の協力義務、上場主幹事選定・上場時期の合意プロセス、上場後のロックアップ条項。
⑨売却協力義務
M&Aによる出口(売却)への協力義務、売却条件の合意プロセス、表明保証分担。
⑩コールオプション・プットオプション
特定事由(業績未達・契約解除等)発生時の株式買取請求権・売却請求権。価格算定方法(簿価・DCF・EBITDA倍率等)を明記。
実務での落とし穴
- 定款と株主間契約の不整合(定款優先で株主間契約が無効化)
- 拒否権事項の過剰設定で経営判断が膠着
- ドラッグアロングの発動条件が曖昧で発動できない
- コールオプションの価格算定方法が不明確で紛争
- 出口時期の合意がなく塩漬けに
- 株主全員参加でないSHA(後加入株主の同意取得を忘れる)
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