LINE相談

KNOWLEDGE

基本合意書に法的拘束力を持たせる書き方|MA・業務提携の実務

基本合意書(Basic Agreement)の法的拘束力は文言設計次第で大きく変わる。M&Aや業務提携の交渉で「合意したことを後で破られたら困る」項目には拘束力を持たせ、「DD次第で変わる」項目は拘束しない設計が標準である。実務での書き分け方を整理する。

この記事の結論

  • 基本合意書は「全部拘束しない」と書かない限り、文言上の合意は拘束力を持つと推定される
  • 実務標準は「独占交渉・秘密保持・費用負担のみ拘束、他は努力目標」のハイブリッド
  • 離脱時のブレイクアップフィー(破談手数料)を入れるかは、交渉力バランスと案件価値次第

基本合意書の典型構成

  1. 合意の対象:M&Aの対象会社・取引概要
  2. 取引価格・主要条件:株価レンジ・支払方法・スケジュール
  3. デューデリジェンスの実施:期間・範囲・費用負担
  4. 独占交渉条項:他候補との並行交渉禁止
  5. 秘密保持条項:交渉過程で知った情報の保護
  6. 費用負担:DD費用・専門家費用・ブレイクアップフィー
  7. 拘束力条項:どの条項に拘束力があるか明記
  8. 有効期間:基本合意書自体の効力期間

拘束力設計の3パターン

パターンA:全部拘束

「本基本合意書に定める各条項は、当事者を法的に拘束する」と明記。すべての条項に拘束力を持たせる。実務では稀。事業譲渡で買主が確定的に決まっている場合に使う。

パターンB:部分拘束(標準)

「第○条(独占交渉)、第○条(秘密保持)、第○条(費用負担)の各条項のみ法的拘束力を有する。それ以外の条項は当事者の努力目標とする」と明記。M&A実務の標準。

パターンC:全部非拘束

「本基本合意書のいかなる条項も、当事者を法的に拘束しない」と明記。LOIに近い性格。確実性が低い段階で使う。

M&A・業務提携の基本合意書でお困りの経営者様へ

弁護士法人ブライトは、基本合意書の文言設計、独占交渉条項の交渉、最終契約への移行まで一貫支援します。

▶ 顧問契約・スポット相談 📞 0120-929-739(平日9-18時)

独占交渉条項の設計

  • 期間:通常2〜4ヶ月(DDと最終契約交渉に必要な期間)
  • 対象範囲:第三者との交渉禁止の範囲(同種取引のみか、全ての売却交渉か)
  • 違反時の効果:違約金(ブレイクアップフィー)または損害賠償
  • 例外事由:すでに第三者と交渉中の案件の取り扱い、フィデュシャリーアウト条項

ブレイクアップフィーの相場

M&A取引価格の1〜3%が一般的な相場。買主側のDD費用・専門家費用の補填が主目的。日本のM&A実務では海外ほど多用されないが、規模が大きい案件・上場企業案件では設定するケースが増えている。

ブレイクアップフィーを設定するときは、(1)どちらが支払うか(買主→売主/売主→買主)、(2)発動事由を限定列挙、(3)金額の上限、を必ず明文化する。

関連する論点・関連記事

和氣良浩 弁護士

この記事の監修者

和氣 良浩(わけ よしひろ)

弁護士法人ブライト|代表弁護士/パートナー弁護士

弁護士歴20年(2006年登録)/大阪弁護士会/大阪大学法学部卒

専門:顧問弁護士・企業法務・M&A・経営権紛争・事業再生

📥 経営者・法務担当者向け 無料資料ダウンロード

契約書チェックリスト50項目

弁護士歴20年の和氣弁護士が監修。中小企業の契約書を5章50項目でセルフチェックできるExcelシート(解説PDF付き)

📥 無料でダウンロードする

所要時間1分・お名前とメールアドレスのご入力でダウンロードいただけます

  • この記事を書いた人

笹野 皓平

弁護士法人ブライト パートナー弁護士: あなた自身や周りの方々がよりよい人生を歩んでいくために、また、公正な社会を実現するために、法の専門家としてサポートできることを日々嬉しく感じています。

本記事は、一般的な情報の提供を目的とするものであり、個別案件に関する法的助言を目的とするものではありません。また、情報の正確性、完全性及び適時性を法的に保証するものではありません。
なお、本記事の内容に関する個別の質問や意見などにつきましては、ご対応できかねます。ただし、当該記事の内容に関連して、当事務所へのご相談又はご依頼を具体的に検討されている場合には、この限りではありません。

関連記事

顧問弁護士担当弁護士

  • image

    笹野 皓平

    2008年

    京都大学 法学部(Kyoto University Faculty of Law)卒業

    2010年

    司法試験合格・立命館法科大学院修了

    2011年

    弁護士登録(大阪)

    2019年

    大阪弁護士協同組合 総代

    法人向け・個人向けを問わず、幅広い業務に取り組んできました。その場しのぎの単なる助言だけで終わるのではなく、最終的な局面を見据えた「真の問題解決」を目指す姿勢を大切にしています。

    プロフィールを詳しく見る

事務所概要

事務所名 弁護士法人 ブライト(大阪弁護士会所属)
開 業 平成21年(代表弁護士独立開業)
設 立 平成24年11月設立、平成27年1月に法人化
所在地 〒530-0057 大阪府大阪市北区曽根崎2丁目6番6号 コウヅキキャピタルウエスト12階
TEL 0120-931-501(受付時間9:00~18:00)
FAX 06-6366-8771
事業内容 法人向け(法律顧問・顧問サービス、経営権紛争、M&A・事業承継、私的整理・破産・民事再生等、契約交渉・契約書作成等、売掛金等の債権保全・回収、経営相談、訴訟等の裁判手続対応、従業員等に関する対応、IT関連のご相談、不動産を巡るトラブルなど)、個人向け(交通事故・労災事故を中心とした損害賠償請求事件、債務整理・破産・再生等、相続、離婚・財産分与等、財産管理等に関する対応、不動産の明渡し等を巡る問題など)

お問い合わせ

CONTACT

弁護士法人 ブライトへの法律相談、
メディア出演依頼・取材に関する
お問い合わせはこちら

お電話での
お問い合わせ

TEL:06-4965-9590

※受付時間 9:00-18:00

法務ドックで経営が変わる

あなたの会社を法的トラブルから守る
弁護士法人ブライト (著)
多くの企業は法的トラブルを未然に防ぐ対策を講じておらず、顧問弁護士も不在です。本書では「法務ドック」を活用し、リスク回避を図る「みんなの法務部」を提案します。
多くの企業は法的トラブルを未然に防ぐ対策を講じておらず、顧問弁護士も不在です。本書では「法務ドック」を活用し、リスク回避を図る「みんなの法務部」を提案します。

顧問弁護士

経営者のための弁護士「活用」バイブル
弁護士法人ブライト (著)
顧問弁護士はトラブル対応だけでなく契約書作成など実務も担う身近な存在となりました。本書では顧問弁護士の活用メリット、自社に合う選び方、法的リスクのマネジメントについて解説します。
顧問弁護士はトラブル対応だけでなく契約書作成など実務も担う身近な存在となりました。本書では顧問弁護士の活用メリット、自社に合う選び方、法的リスクのマネジメントについて解説します。