民事訴訟・労働審判・調停で和解が成立したら、その内容を覚書(示談書)にまとめる。和解金額・支払方法だけでなく、清算条項・口外禁止・違反時の違約金など、後日の紛争再燃を防ぐ文言設計が決定的に重要である。実務での書き分けを整理する。
この記事の結論
- 和解覚書の核心は「清算条項」。本覚書記載以外の債権債務は一切ないことを確認
- 口外禁止条項は違反時の違約金とセットでないと実効性が低い
- 労務・取引・株主など紛争類型ごとに専用文言が必要(汎用ひな形では不足)
和解覚書の必須条項
- 和解金額・支払方法・支払時期
- 分割払いの場合の期限の利益喪失条項
- 清算条項(甲乙間に本覚書記載以外の債権債務はないことを相互確認)
- 口外禁止条項(合意内容の秘密保持)
- 口外禁止違反時の違約金
- 違約金とは別の損害賠償の可否
- 債務不履行時の遅延損害金
- 合意成立日・両当事者署名
清算条項の重要性
清算条項は「本覚書記載の合意以外、当事者間に債権債務関係は存在しないことを相互に確認する」という条項。これがないと、和解後に「実は別の債権がある」と請求されるリスクが残る。
実務では「乙が甲に対して有する一切の債権を放棄する」「甲乙間の本件に関する一切の紛争を本覚書をもって終結する」など、紛争類型に応じた具体的な文言を選ぶ。汎用文言だけでは射程が不明確になることがある。
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弁護士法人ブライトは、訴訟・調停・労働審判の和解覚書設計、清算条項の文言、口外禁止条項の実効性確保まで伴走支援します。
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口外禁止条項は「本覚書の存在および内容を第三者に開示しない」と定めるのが標準。ただし違反時の効果が定められていないと実効性が低い。
実務的な書き方としては「本条項違反の場合、違反者は相手方に対し○○○万円の違約金を支払う」と定額の違約金を設定する。違約金を超える損害が発生した場合は別途損害賠償請求が可能と明記しておく。
紛争類型別の追加文言
労務紛争
解雇・残業代・ハラスメント等の和解では、(1)退職時期・退職事由(自己都合か会社都合か)、(2)退職金の取扱い、(3)有給休暇の精算、(4)競業避止義務の取り扱い、(5)今後の在籍企業への問い合わせ対応、を必ず明文化。
取引紛争
売買代金・役務報酬の和解では、(1)今後の取引継続の可否、(2)担保・保証の解除、(3)取引先・第三者への通知の可否、を明文化。
株主紛争
経営権紛争・株主間紛争の和解では、(1)株式譲渡の対価と方法、(2)役員退任の段取り、(3)競業避止義務、(4)情報秘密保持、(5)将来の訴訟禁止条項、を明文化。
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